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季節が魅せたもの  作者: 顎歌
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幻春

窓から差込む日差しが暖かくなって

優しく僕を包む。


桃色の匂いが、僕の鼻をくすぐって

気持ちがいい。


こんな僕にでも春は、平等に来たみたいだ。


僕に何か、新しいことが起きて、

僕の現状は、変わる。


そんな期待を抱いてしまうことも

春は、肯定してくれた。


優しかった。


夢でも見ているような安心感で、目を瞑ったら寝てしまいそう。


ずっと春にいたい。


確かに僕の心がそう感じている。


でもさ、散っていく桜を見てると

思い出してしまうんだ。


僕の中の記憶の音を。


もうここには居ない君たちの声を。


寂しそうに鳴っている音は、どんどん膨らんで僕を壊してしまいそうになるんだけれど、春はそんな僕ですらも包んで魅せた。


でも


春で音が消えたわけじゃない。


春で寂しさが埋まったわけじゃない。


と、僕が気付くまでどれだけかかったことか。


そして、傷ついてどれだけ泣いただろうか。


これからの僕の全部が

春に魅せられていたんだ。




僕が壊れないように。


全部を壊さないように。




まだ、僕は、幻春の中に眠っている。




散ってしまうその時まで

読んで下さってありがとうございます。


春は、何だか期待してしまいますよね。


いい評価でも悪い評価でも

頂けたら嬉しいです!!

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