第3話 寝不足でhappy/番外編2 私と翔くんの生徒会長との1戦
どもども~ショウロウです。
今回は立花楓先生についてです。
えっと、ミンティナ学園4年生実技担当で身長はやや高め、赤髪の短髪。授業の時は厳しい先生だが優しい。
はい、こんな所ですかね。
ではでは本編をご覧下さい。
時は過ぎ1週間後…
6月9日立花先生からこのような話が告げられた。
「みんな知っているとは思うけど、8月の7日にあの有名な大会である”ブレイドソウルズ”ダブルスが開催され………」
はっ!
(あ、あれ?寝落ちしてた…)
俺はキョロキョロした。
そうしていたら仁美が近づいてきてくれた。
別に俺が呼んだわけではないんだけどね。
「翔くん寝てたよね?大丈夫?」
「じ、実は…大会がダブルスだってことしか覚えてないんだ…。」
「え!?それって結構最初の方だよ!翔くん昨日の夜ちゃんと寝たの?」
「え、えっと昨日1時くらいまでトレーニングして、2時くらいまでベットでイメトレしてたから、4時間くらいしか寝れてないな。」
「翔くん。」
仁美は低く少し怒っている声でそう言うと
「今日からは私の隣で12時には寝てもらいます。」
「いやいやいやそれはまずいんじゃ…。」
「いいですね?」
「いやあの…。」
「い、い、で、す、ね?」
「はい…。」
こういう時の押しにはほんとに弱い。
すると突然仁美が言った。
「先生、高咲翔琉くんが体調悪そうなので保健室に連れていってもいいですか?」
「ええ、わかりました。」
先生はそう言って見送って下さった。
保健室に入ると仁美はベットにいき、頭の方で女の子座りをして
「はい、膝枕するから寝て。」
といった。
俺は気が動転して、今何がどうなっているのか分からなってしまい、立ちすくんでいると
「はーやーくー!」
仁美の声が耳に届いてようやく頭の整理がついた。
「わ、分かったよ。」
「それであの…あの後先生はなんと言ってたのでしょうか。」
俺は気になって仁美に聞いた。
「うーんとね、試合はダブルスまで聞いたんだよね?」
「うん。」
「あとは全ての学校から6ペアずつ大会場に集められて、30ペアのトーナメントで競うって言ってたよ。」
なるほどなと思った。
と同時に疑問点も浮かんだので聞いてみた。
「6ペアってどう決めるんだ?」
「学年の上位2ペアずつの合計12ペアでリーグ戦を行って6位まで決めるって。」
なるほど、つまりペアの組み方が重要ってことか。俺としては連携の取り方が分かる雄一か仁美がいいんだが。
そんなこと考えていると
「ねぇ翔くん、その…良かったら私とダブルス組まない?」
「え、俺なんかでほんとにいいの?」
「私は翔くんがいい!!」
とまあすぐにダブルスは結成出来たわけだ。
正直ほんとに良かった。
仁美は次にこう言った。
「パートナーには無理して欲しくないの。だから、今は寝て休んで体調戻して?ね?」
「分かったよ。」
そう言って俺は目をつぶった。
仁美は俺の頭を優しく撫でてくれた。
俺は幸せに包まれながら眠った。
ここまで言うと「付き合ってるの?」とか言われそうだから言っておく。まだ付き合えてない。
それどころかまだ告白さえ出来てない。
この1週間お互い話すことは多くなったけど、それ以上の関係にはまだ到達出来てはいない。
目が覚めた。
仁美は俺が寝てから頭に普通の枕を差し込んで横に座っていたらしい。多分途中で戻ったんだろう。
そう思うと何故か体が自然に動き出した。
まるで身体が仁美に会いたいと言っているようだった。
訓練場に戻るともう4時すぎだった、練習できるのもあと1時間ないくらい。
(俺3、4時間寝てたんだな…。)
そう思いながら先生にもう大丈夫ですと報告し、仁美が座っている所に向かった。
「仁美さっきはありがとう。」
「あ、翔くん。もう大丈夫なの?」
「うん、流石にあれだけ寝たら大丈夫だよ。」
そう言って仁美の隣に座る。
あと試合ができるにしても1試合くらいだろう。もしかしたら体調が悪かったと見られてからやらせてもらえないかも。
「仁美ごめんな。ダブルスの大会までもう時間がないのに。」
「いいの。というか翔くんが体調悪い時に無理してやるべきじゃないと思うよ。」
「そ、そうだな。明日からは体調を万全にするよ。」
とそんな会話をしていた時、先生から対戦の指示が出た。
「高咲は無理をしないように、念の為S級魔法は出さないように。」
立花先生がこう言った瞬間周りはどよめいた。
S級魔法は外から見ると全然分からないことが多く、使える人が少ないからだと思う。
この学年でS級魔法を使えるのは俺と仁美、委員長くらいである。
「はい。」
と軽く返事をして相手と向き合う。
今日の相手は学年順位52位の月島渡と、48位の寺之内莉夏である。
情報ではあまり強いとは聞いたことはないが、勝負はやってみないと何が起こるか分からないから一応警戒。
噂によるとこの2人は既にできて…おっと、付き合っているらしい。
「じゃ仁美、いつも通りにね。」
「うん、けど今日はもう魔法使っちゃダメだよ?」
「分かってるさ。」
仁美にこれ以上心配かけたくはないと思う、俺の心から出た言葉だった。
「それでは始め!」
相変わらず立花先生の声はシャキッとして気が引き締まる。
俺は先手をとるためダッシュした。
「凍てつけ”ブリザード”」
仁美の魔法は俺の横を流れるようにすり抜け、敵に向かってゆく。
敵に氷の魔法がかかり一定時間止まっている所をたたく。
「月島くん、前衛をするならもっと強気に来ないと自分がやられるよ。」
「う、うるさいあんたには関係ないだろ。」
月島は迷惑そうに言った。
当然魔法は使わなくとも剣技は全力でやるので、月島を圧倒した。
「月島くん、強くなりたいなら精神力を鍛えな。」
そう伝え最後の1撃を振り下ろした。
一方、仁美は寺之内と魔法の撃ち合いをしていた。
当然魔法力は仁美が上であるから、寺之内は精神的にやられてしまったのか、座り込んでしまった。
「そこまで!」
立花先生の声だ。
俺と仁美は
「 「ありがとうございました。」 」
と言ってその場を去った。
さっきは余計なことを言ってしまった。
自分の実力が上がらず悩んでる人を見ると、ついついこの前までの自分と重ねて言葉が出てしまう。
同学年や下級生にアドバイスを必要としていないのに貰うのは、たしかに少し後ろめたい気持ちがあると思う。
また今度会ったら謝っておこう。
次の日…
今日から学年代表を決めるための戦いが始まる。
それにより授業もオール実技になり、ブレイドソウルズに向けて生徒への指導に全てつぎ込むらしい。
まずは最終のペア決めがある。
俺は迷わず仁美の所に行った。
すると仁美もこっちに移動してきた。
「 「一緒に組まない?」 」
まるで息が合いすぎるかのようにハモった。
それから互いに笑い、手を組んでこう言った。
「頑張ろう。」
「うん。」
そして、2グループを決めるためのトーナメント戦が始まる!
このトーナメントは1回勝てばベスト32、2回勝てばベスト16、3回勝てばベスト8……となっていくので、5回勝てば学校代表選抜戦に出られて、最後を勝てば優勝となる。
ブレイドソウルの最大の特長は全学園順位が着くことである。
我らミンティナ学園でその順位を持っている人はたったの5人。
ほとんどの人はすぐ負けてしまうからだ。
さぁ1回戦がとうとう始まる!!
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番外編
クラス長との対戦のとき。
翔くんと私はいつも通りの戦法で行くと決めたけど、甘かった。
クラス長の重力魔法は予想以上に強くて私は膝をついて、翔くんを見てることしか出来なかった。
重力魔法を受け、S級魔法を使いながら奥義まで出した翔くんの体はどうやら悲鳴をあげていたらしい。
翔くんはパタリと倒れてしまった。
「やめ!」
と先生が合図を出し、クラス長の魔法が解けると、急いで翔くんの方に向かった。
「翔くん!翔くん!」
呼びかけても返事がない。
先生が保健室に運ぶと言うので私もついて行った。
保健室のベットに翔くんを寝かせて、ずっと手を握っていた。
気がついたら寝てしまっていた。
私が起きてぼーっとしていた時もう翔くんは起きていた。
「翔…くん?翔くん!!」
私はそう言って翔くんに抱きついた。
はぁ…良かった。
明日からはちゃんと私も戦えるようにもっと練習しなくちゃ。
次回からは1回戦が始まりますね。僕も気合を入れて、ひと試合ひと試合を熱意込めて書きますね。
お楽しみに!
さて、キャラクター紹介ですが、東雲瑠愛さんについて。
性格は負けず嫌い、人をいじって少しでも自分が優位だと思いたいらしい、優しい所もあるのですけどね…w、細剣使いです。
このくらいでいいでしょうか?
ではではまた次回作でお会いしましょう。