いざ異世界へ
「という事で家に帰ってきたわけだが、まずはどうしたらいいんだ? 」俺は聞いた。
「そうだな、まずは武器になるものを持て、先程のバタフライナイフみたいなちゃっちいのはダメじゃ。もっと大きいものでないと」そう言われたので机の引き出しにあったコンバットナイフと壁に掛けてあったボウガン(矢×60発)を持ちすずに次の手順を聞いた。
「なぁ、すずこの後はどうするんだ?」
すずは「よし」と言ったかと思うと何やら呪文を唱え始めた。少し体が強張ってはいるがそれよりも楽しみと言うような感情が勝っていた。
「大和!今すぐ私の手をつかめっ!」
俺はとっさにすずの手をつかんだ。その瞬間だった。辺り一面が光に包まれ周りを見る限り草原が広がっていた。
「すず、ここは?」俺はビックリして腰が抜けてしまったが意識はちゃんとしていたので聞いた。
「ここか?大和、お前が望んだ異世界だ。」
なんだって?異世界?本当に?ここが?そんなわけ無いと言おうとした途端だった。鳥の鳴き声がしたので空を見上げるとそこに居たのは空を飛ぶドラゴンの群れだった。
「お、おいすず、これは夢じゃないのか?」
すずは横に首を振り「いいや、夢じゃない」と言った。
「ま、まさか本当に異世界に来ちまったのか。」
このときの俺は異世界と言うものを軽く見すぎていたのかもしれない。