準備
教室に戻るとそこには担任の坂本が立っていた。
「おい、近藤。お前は授業中にどこほっつき歩いてたんだ?」
まあ、面倒なのでトイレに行ってきたとでも言うか。
「トイレに行ってきただけだが」
「ほう、そうかトイレねぇ。本当は?」
「お散歩してました。すいません」
あ、やべ、ついつい坂本が怖くて本当の事が口から出てしまった。
「お散歩かぁ。いいご身分ですねぇ近藤君?」
まぁ、ここから生徒指導室へ行きとりあえずすごく怒られた。
「ったくよぉ本当めんどくせえよな」俺は説教が終わった後小さな声で愚痴を溢しながら生徒指導室を後にした。
「あー、やっと終わった」そう言いながら下駄箱に向かった。向かう途中ですずに「今日はどうするのか?」と聞かれたが俺は「分かってるだろ?」とだけ言ってその場は終わった。
そんなこんなあって俺は上履きから靴へと履き替え、学校から出た。
「すず、何か準備するものはあるか?」俺はとりあえず必要なものがないかどうかを聞いた。
「用意するものか、何か武器になりそうなものだな」
「そうか、武器か。心配はいらないな。俺の部屋は武器庫も同然の状態だからな」俺は得意気に自慢してみた。だが、案外すずの反応は薄く頷いてもくれなかった。悲しい。まぁ、とりあえず家に帰る事だけを考えた。