唐突な出会い
「え、なんなんだよこれ。このゲーム課金しなきゃいけないのかよ」思わず不満を声に出してしまった俺だが実は高校の授業中だったりするわけである。
「おい、近藤お前は授業中にスマホゲームで遊ぶほどの頭があるのか?お?お?」今、俺のことを注意してきたヤツは俺の組の担任であり歴史教師の坂本だ。
「おいおい、坂本さんよぉ?俺は今大事な大事なお仕事中なんだよ邪魔しないでくれるか?」まあ、当然ながら次は生徒指導室行きだとか言ってくるのは目に見えている訳なんだが。
「よし近藤お前は放課後生徒指導室に来い。みっちり指導してやるからな」やっぱりな、面倒だが行かないと後が大変だからな行ってやるしかない。そう、ちなみに紹介が遅れたが俺の名前は近藤大和。この大帝高校の2年生だ。ちなみに彼女はいない。
「分かった。分かったからスマホを返せ。」ちゃっかり要求を通そうとするのだが頑固で厳つい坂本先生はそれを呑もうとはしない。
「はいどうぞ。なんて出来るかこの野郎!廊下に出てろ!」あーあやっちゃった。怒っちゃったよ。まあいいや暇だからお散歩でもしようかな。
「にしても何か面白いことないかなぁ。」俺は何か無いかとワクワクしながら校内を歩いていた。その時だったいきなり辺りの空気が変わったのがよく分かった。
「こんなところで人を見るなんて何かの縁かな?」そう言ってきたのはこの高校の制服に身を包んだ美少女だった。
「お嬢さんこそこんなところで何をしてるんだい?迷子かい?」俺は女に興味が無い。だが1年だったら大変なのでとりあえず聞いとくか。
「い~や違うね。あんたが呼んだんだろ?」俺が呼んだ?どう言うことだ?目を凝らしてよく見ると学年別の印がない。
「お前は誰だ!答えろっ!」とりあえず持っていたバタフライナイフで応戦しようとするが、呆気なく相手に間合いを詰められ押さえ付けられた。くそっ!もう死んだかもしれない。そう思ったときだった。
「お前は何か面白いことが無いか探してたんだろ?」
衝撃的だった。当たりだ。その一言で興味が湧いた俺は目の前にいた少女に「何か面白いことでもあるのか?」と聞いてみた。
そうしたら少女に「異世界に行ってみたいか?」と聞かれた。
まあ、当然ながら俺は暇だったから「言ってみたいと思うが。」と答えた。
「よし、貴様の名前は?」
答えるしかなさそうだ。
「俺の名は近藤大和だ」
目の前の少女は小さく頷き「分かった」と言った。
「突然だがこれからお前と契約を結ぶことになるが宜しいか?」
俺は大きく頷き「勿論!」と言った。
「よし、近藤。お前の腕を貸せ」そう言われたので右腕を差し出した。
「少し痛いが我慢してくれ」そう言われたので歯を食い縛った。
だがそんなに痛いものでもなかったのでそんなに力むことも要らなかったようだ。少女は俺の腕に少し切り込みを入れたかと思うと出てきた俺の血を舐めた。流石にビックリしたので「な、何やってるんだ?」と思わず聞いてしまった。だがその時だった、少女の周りが光に包まれ少女が見えたかと思うとそこに居たのは少女ではなく猫耳の幼女だった。
「近藤。今日から貴様は私の主だ誇りに思うが良い。」
猫耳幼女は言った。あまりにも唐突な出来事だったので少し戸惑ったが、「分かった、宜しく。名前は?」と聞いた。
「名前は、そうだな、すずなんてどうだろうか?」俺は「分かった、すずだな?」と確認をとりつつ聞き返したすずは小さく頷き「ご主人、貴方に質問があります」と質問してきた。内容は「これからどうするのか」だそうだ。俺は迷わず
「異世界と現実を行き来したいと思っている」と伝えた。
すずは少し迷っていたがすぐに俺の案を受け入れてくれた。
「それでは今から異世界に行きますか?」そう言われたので俺は放課後の生徒指導が終わってからにしようと言った。
「分かりました。」すずは答えると猫に変身した。
「それって人に見えたりするのか?」俺は気になったので聞いてみることにした。そうしたらすず曰く俺以外には見えないんだと。不思議だねぇ。
「おっと、そろそろ教室戻んなきゃ」俺は落ちていたバタフライナイフを拾い上げそれをポケットにそれをしまい教室への帰路についた。