プロローグ
思い付きで書きなぐってみた
続きは気が向いたら
その男は、缶コーヒーをグッと煽ると、ボロボロのハードハースに入ったタバコを口に含んだ。そのまま火を着けようとポケットを漁り始めた。
しかし別に男はタバコを吸いたい訳ではない。むしろ、タバの煙を嫌うような嫌煙家である。男がタバコをくわえる理由など、ただ、その場で少しでも口を利く事を減らしたいが為の手段でしかなかった。
男の周りには数人の男が同じようにタバコを吹かし、下らない雑談をしていた。彼らが赤の他人であれば、この場にいる意味など一切ないはずなのだが、男はそれをしなかった。いや、出来なかった。
今この喫煙所にいるのは嫌煙家の男を含め6人。その中で恰幅のいい中年の男が新しいタバコをくわえ一言放った。
「火...!」
嫌煙家は、ポケットからライターを出すと、その男のタバコに火を着けた。




