見せ場なしだそうです
ハイ、久々の本編です
どうぞ
「――!?い、今」
「何をしたって言いたいんでしょうが別にあなたは何も知らなくていいんですよ」
「なんてったってあなたもすぐに向かうことになるんですから」
褐色肌の少女―――クフローニは戸惑っていた
きいていた情報よりも標的は強いこともそうだが、今何をされたか全く分からなかったのだ
魔力も感じず尚且つ、スキルだとしても一体何が発動キーなのかが全く分からないのだ
別に普通ならわからなくても自分ほど動揺しないかもしれない
しかし、自身の能力が鑑定系なら話は違ってくる
クフローニのスキルは『判定』という
効果は主に二つ
一つは相手のステータスを見れるという、まあ言ってみれば鑑定の上位互換の効果である
二つ目は自分が認識した相手の行動にスキルもしくは魔力を伴った何かをした際、いったい何をしたのかが全てわかるのだ
この能力故に任務ではほとんど相手の解析をすることになる
そしていつものように最初から侮ってはいたもののずっとルークたちを観察していたが何も起きていない
明らかに何かを行ったはずなのにいつもなら相手のスキル使用時に現れるウィンドウが出てこないのだ
そんな普段なら絶対あり得ない状況に陥れば誰だって困惑する
どうするか、とクフローニが悩んでいると
『聞こえるクフ?』
頼れる仲間から魔法具を使った念話が送られてきた
この魔法具は〝組織”の組員ならだれもが支給されているものだ
有効範囲は大体町一個分ぐらいである
そんなことよりも
『ええ』
『それで相手の能力は?明らかに本人たちが吹聴していたものではないでしょう?』
『それが私の能力に一切検知しないのよ』
『どういうこと?』
メルがさらに詳しく聞こうとするが
「内緒話が筒抜けだよ、あとよく本人がいる前でのんきにそんな会話できたね」
――――ジークによって阻まれた
より正確に言うのであれば、いつの間にかクフローニのそばに来ていたジークが腕輪を切りつけた後だった
「しまっ―――」
そうしてクフローニは言い終わる前に光に飲まれて消えてしまった
だが、転移させられる瞬間クフローニはメルに対して
『また、『判別』が発動しなかった』
と、最後の言葉を残していった
ジークはメルに振り返ると
「さて、ここであなたを逃すわけにはいかないんですが」
「素直に、分かったというとでも?」
「そんなことは思ってませんが、ここであなたを逃がすと後々面倒なことになりかねませんから」
メルはじりっと後退しそうになるがここから逃げることは敵わないことがわかり、せめて最後まで口を噤もうと決めるが
「あっ、そうそう勘違いされたくないから言っておきますがあなたの持ってる情報なんて蚊ほども欲しくなんてありませんから」
「ッッ!!?」
(また、思考を読まれた!!)
メルは困惑と恐怖の混じった視線を二人にむけるが、当の本人たちはどこ吹く風である
そのことにより恐怖が不自然なほどに募ってくる
情報と圧倒的に違う実力
何をしたかわからない能力
なぜか行動と思考は筒抜け
確かに恐怖してもおかしくないがそれを差し引いてもおかしいくらいの恐怖が湧き出てくる
メルにはジーク達が得体のしれない化け物のように見え始めていた
メルはどんどん不自然に膨れ上がっていく恐怖に襲われながらも、気丈に振る舞う
出ないと一気に呑まれそうにになるから
「・・・私のもってる情報が欲しくないってどういうことかしら?」
「そのままの意味ですよ、あっこちらを探ってるんでしょうがホントにあなたの持ってる情報というかあなた方の組織にすら興味がありません《・・・・・》
ぶっちゃけどうだっていいんですよ
だってあなた達面白くないでしょう?」
「それはどういう―――」
メルには何を言っているのか理解できなかった
興味がない?
面白くない?
そんな理由で襲ってきた相手から何も情報も得ないというのか
否、得ないのではないそもそも得ようとすらしてない
その情人では考えられないノエルの言葉を前にメルの思考は一瞬停止した
―――そんな隙を晒したら格好の的だというのに
「まあ今後の展開に期待しますよ、次からはトール先輩もいるんで精々芸を凝らしてくださいね」
懐に潜り込んだジークに至近距離から
「『闇の銃弾』」
闇属性の初級魔法を腕輪に叩き込んだ
「まあ、この視察にきた奴らは残念だったけど、まあどっかから見ているその上司さんとやらが僕たちを倒せると思うぐらいの戦力を注ぎ込みに来てくれるといいんだけど」
「な、にを、言って・・」
メルは意識を失う直前、目の前にはそんな残念そうに言う美少年がいた
そして意識を失った




