カチコミだそうです。3
短い話が続いてます、すんません
「なぁ、なんか正門の方が騒がしくないか?」
「例の機械族が襲撃に来たんだろ。まぁ直ぐに収まるさ。」
「じゃあむかわなくていいのか?」
「面倒だし、いかなくてもいいだろ。」
そんなやる気のないことを言いながら警備兵の二人組が俺の横を通りすぎる。
ふぅ、相変わらず俺のスキルは凄いな(棒)。
隣を歩いていていても気づかれないくらいには、凄い。
昔はこれが標準と思っていたのだが、どうやら熟練の暗殺者でもここまでのことは出来ないらしい。
俺は『学習』と『成長』のお陰であっという間に習熟度が上がるため、転生してこのかたどんどんヤバイほうに進んでる気がする・・・。
まぁそれは置いとくとしてだ、レイナの魔力を元にーー『魔力探知』と言うスキルを使ってさがしているのだが、どうやら何かしらの魔力制限をされているのか、俺でも具体的にどの部屋かがよく分からない。
困ったな~、まじで困った。
というかカレンも大分暴れているようだな、ちなみにカレンが使っているあの機関銃もどきは俺が教えたものだ。
あまり俺も詳しくは知らなかったので、あれはただ機関銃をモデルにして連射性能を高めたものなので、機関銃とは違うもどきなのだ。
ミリオタであった花音が居てくれたらと思うが・・・まぁ仕方ない。
ただし、弾のほうは俺の『術式創造』と言うスキルで魔力を注げば自動で何種類かある初級魔法から選んで撃てると言う、オリジナルだ。
今回は一番非殺傷に向いている衝撃の弾を使わせている。
はぁ、それにしても何処だろうなあ?
なんて思いながら、無駄に絵画や高そうな壺が置いてある廊下を歩いていると
「ええい、どうなっている!警備のものはどうなっておるのか!?」
そんな怒鳴り声が聞こえる。
俺はその怒鳴り声が聞こえた部屋に向かう。
無駄にキラキラした扉を開くと案の定奥に檻に閉じ込められたレイナがいた。
その手前のところで叔父が警備兵達に怒鳴っているようだ。
というか俺が部屋に入ってきたのに誰も気づかないとか、スキルの習熟度が高いのを喜ぶべきか、それとも俺の存在感が薄いのか・・・いやいや気にしても仕方ない。
というかなんで、見た感じ意識を取り戻しているはずのレイナはあんなに落ち着いているのだ?
普通こういう時ってパニックをおこすもんだと思うけど?
なんて考えていると
「こいつにそんなに価値があるのか?くそっ!・・・そうだ。こいつを人質にその機械族の小娘とやらも拘束しよう。そうすればもはやあの小僧に為す術はない。」
と言って、レイナの方に向かいだした。
前からアホだとは思っていたがここまでアホだったとは・・・
「フフフ、少し計画と違うがまぁいい。」
なんでやっていることは小物なのにこんなに大物っぽく言うんだろう?と思いながら
檻を開けようとしたアホの手を掴み、スキルを解除しながら
「ほう、誰の許嫁を人質にするのか是非ごきかせ願おうか?」
そうキメ顔で言った。
ーー後に、黒歴史の1ページになったのは言うまでもないことである。