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傭兵の最期
その日はひどい雨だった。
傭兵として生きている以上、戦う場所があればそこに行くのは当然のことで。
だが、戦う日くらいは考えておけと雇い主に悪態を吐いた。
愛用していたバスタードソードは既に手を離れており、使っているのは先ほど敵から奪った安物の片手剣。
使えないことはないが、使いたくない。
そんな一品だ。
既に情勢は決まりつつあり、敵方はもう後がないというかのような命を燃やす突撃を仕掛けてきた。
逃げれば矢でも射掛けられるのだろう。
こちらの指揮は上々。まず負けることはない。
軍としてはの話だが。
迫り来る敵の首をはね、手首をはね、振り下ろされた剣を受けたとき、ちょうどよくパリンと剣が壊れやがった。
そしてその剣は俺の額目掛けて振り下ろされ――――。