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第一話「俺が魔法?」

俺には、夢なんかない。

そもそも、必要とすらしていない。

夢など、何の役にたつのだ?

夢などと言う願望にすがって生きているヤツの気が知れない。

叶うはずなどない。

俺は、人生の負け組だ。


俺の職業・・・・自宅警備員


自宅警備員と言うと、聞こえはいいが、はっきり言って「ニート」。無職である。

そう。それが俺に課された「役割」だから、俺はそれに歯向かう気は毛頭ない。

歯向かう理由などないではないか。

有り難く思っている位だ。

くだらない「役割」より何倍もいい。

政治家だのキャリアだの、そんなものに興味はない。


ここまで書いて、ふと思う。

(俺は、どんだけへそ曲がりなんだ。)


・・・・・・とまぁ、ここまでが前置きである。

では、本題に入ろう。

俺がこれを書こうと思った理由。


そう。あれは、彼女に出会ったから。


ラブコメっぽくになって来たと思う人もいるかもしれないが、そんなものではない。

俺にとっては地獄だった。

生地獄。まさにそれだ。


ではまず、彼女に出会った経緯から話そう。

それは、夏とも秋とも言えない、蒸し暑い日のことだ。

いつも通りネット界で騒ぎまくって、

飯の買い出しに、コンビニへいく。

カップ麺と、大好きな炭酸を買って、

店を出ると、唐突に彼女は現れた。


「結城 まひろ!魔法になりなさい!」


ここで、少々説明だ。

俺の名前は結城まひろ。

年は16。世間一般では、高校生という時期だ。

だが、高校受験に敗北した俺は今、こうした生活を送っているのである。


・・・・・・・話へ戻ろう。


「結城 まひろ!魔法になりなさい!」


「はぁ?」


唐突に現れた美少女。

仁王立ちで、俺に指を向けている。


「あなた、結城まひろよね?

あなたは、この星を救う力を持っている。

だから、魔法になりなさい!」


「はぁ?」


(まったく理解できない。

何を言っているんだこの美少女は!

頭大丈夫か?

一度病院に行った方がよろしいのでは?)


「す、すみません。

理解、できないのですが・・・・・」


「ああ。ごめんなさい。

事を追って説明するわ。」


どうやら、話はわかる人らしい。


「この星、地球。それは、とても不安定な力によって支えられてるの。『善』と『悪』。この二つによってね。でも、今の地球は、戦争や貧困によって、『悪』の方が勝っているの。だから、あなたの力で、この不安定な世界を元に戻してちょうだい。そう。魔法としてね。」


「俺が魔法⁉」


「ええ。」


「それは何でも、勝手だろ!」


(魔法って・・・・・・・

俺がなれるものなのか?)


「ええ。あなたでもなれるわ。」


「へ?」


(俺の心の声を読んだのか?)


「私には、心読む能力は備わってないわ。」


(待て待て待て待て待て待て待て待て!

何なんだこの女は!)


「あ、あの・・・・・・・」


「まだ何か?」


「意味、わかりません。」


「はぁ?・・・・・・

あんた、バカなの?」


(バ、バカ⁉⁉⁉

俺がバカ?

いや、確かに俺はバカだよ!

でも、会って間もない女にバカって!

えーーーΣ(゜Д゜))


「す、すみません。」


何を謝ってるんだ、俺は!


「やはり、バカなのね。」


「確かに俺はバカだけど!

貴女がなぜ、俺の心の声を聞いてるのですか?」


「心の声?w」


彼女は大声で笑いだす。


「あ、あの????」


「あーお腹痛い、ひっwww

心の声のつもりだったんだwww

心の声、丸聞こえwww」


「ええええええええ!」


「あなた、面白い。」


面白い?褒めてくれているのか?


「いいえ。褒めてないわ。」


「また聞かれたぁぁぁ!」


「気に入った。あなた、私と契約しない?」


「け、契約?」


「ええ。」


「意味わかりません。」


「この世の『善』と『悪』を司るもの。それが、あなた達人間が『神』と呼ぶもの。」


第一話・END

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