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横暴、とのマリアの言葉にアイザックは、こてりと首を傾げた。

「世界を守る結界の成り立ちも分かってない?」


確かに一人の女性に、何人もの子どもを産ませる事は横暴だと思うが、複数の男性と婚姻を望むならば覚悟は必要だろう。


「結界?結界の維持って聖女がするんでしょ。」

「背の高い柱が、世界のあちこちに建っているのは知っているね。一番立派なのは各国の中心で次は教会かな。」


他にもあるけれど、とマリアは言われ思い出す。

そういえば、教会や各役所、領地の境などに何かの紋様が刻まれた物があった。


「え、あれって、結界用?」

「そう。人々の魔力を吸収して結界維持する装置。」

「え、怖っ!吸収って根こそぎ?死んじゃうじゃない。」

自分の身を守るように抱き締めれば、アイザックはヒラヒラと手を降る。


「魔力が無くなっても死んだりしない。庶民は魔力がゼロな人も多いよ。ただ、魔力があることに馴れた身体は、重だるさを感じるけどね。」


経験があるような言い方をする。

ちらりとアイザックの背後にいる護衛を見れば、死んだような目をしていた。


「魔力が一定以上ある生き物からしか、持っていかれない。必要な量は決まっているし、そうだね……君のところの男爵くらいでも、余る程度だ。」

貴族に席を置く程度には量があるが、重要視されるほどではない。


「結界を維持?するために、魔力が必要でその魔力は貴族が与えているってこと?アイザック…様、も?」

「勿論。今はセイリオスを離れているから、こちらの国に分けてるけれどね。あと、君も意識はしていないけれど、結界維持に魔力を吸収されているよ。」


吸収されている、との言葉にしげしげと自分の両手を見る。

意識すれば何となくだが、魔力が消えていくような感覚があった。


「え?無断で?どうして、」

「魔法を使ったり、魔石補充の内職には影響しないよ。そもそも日常生活で魔法を使う機会は無い筈だ。」


言われて考えると、確かに全く魔法は使っていない。日常生活で必要とする場が無いのだ。


「メイドとかなら仕事で多少使うかも知れないし、学年が上がれば運用方法の授業が選択出来る。入学の時に聞いている筈だよ。」

「……ま、魔力過多でしんじゃうとかっ!」

ゲームでは魔力が多すぎて、上手く使えなくて亡くなるという話が出ていた。


「心身に不具合が出るほど魔力があるなら、柱に持っていかれると思うけど?」

「ぐぐぐっ、」

ゲームと違いすぎて、何だかんだとても悔しい。



「それで、君は何がしたかったの?」






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