表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/45

ときめき?いいえ、動悸です。


「どーして、アイザックと話が出来ないのよっ!」

最近、貴族令息がマリアに近寄って来なくなったし、マリアが話しかけてもよそよそしい。


「マリア、皇弟殿下を気安く呼び捨てにしないでくれ。下手をしたら家が不敬で処罰を受ける。」

苦々しい声で言うジェイダを、マリアはじろりと睨んだ。

「そんなこと出来るわけないでしょ!ナイジェルが守ってくれるもの。」


ふん、と鼻を鳴らしつつ、ジェイダを見る。

ナイジェルとのデートイベントは終わったし、名前を出して置けば、ジェイダの嫉妬も煽れるだろう。


「セイリオス帝国の皇弟殿下だぞ?しかも、アイザック・セイリオス・マクヴェイ様だと分かって言っているのか?」

「はぁ?アイザックがセイリオス帝国?……ん?セイリオス?」


マリアは何だかんだでアイザックのフルネームは聞いたことがなかった。

ナイジェルが叔父上叔父上と言うから、てっきり国王の弟だと思ってたのだが、問題はそこでは無い。


「セイリオス帝国の殿下って、セカキミIIのラスボスじゃーん!難易度Sの攻略対象!」


ゲーム『この世界で君と出会えたなら』は、続編でいきなり戦闘がぶちこまれる。

セカキミIを完全クリアしたデータを読み込んで、IIを始めると、攻略対象となるキャラだ。


「マリア?何を言っているんだ?」

頭が可笑しい物を見るような目を向けてくるジェイダに、マリアはにやりと笑う。

「あのね、私は皇妃になるの。アイザックは私が救ってあげるわ!」


闇落ちした帝国の皇子を、聖女の力で救って結ばれる。

マリアはゲームで惜しくも攻略し損ねた。そのリベンジが出来るなんて、なんてラッキーなんだろう。


「……礼儀作法もろくに覚えない令嬢が、帝国の皇妃になんて、なれるわけが無いだろう。」

「もー、そこはお堅い女と違って、無邪気な私にときめくところでしょ!」

「ときめく……?動悸はするぞ。」

不敬でいつかマリアがばっさり斬られやしないか、我が家に不名誉な評価が付かないか、常にどきどきしている。


「もう、ジェイダってば。私にはアイザックとナイジェルがいるのよ。」

胸に手を当て、深いため息を吐くジェイダに、マリアは悪い気はしなくてふふっと笑う。


「せめて、おふたりには敬称を付けてくれ。殿下でも様でも良いから!」

「ふーん?そんなに親しげにするのが気になるの?仕方ないわね、忘れなければそうするわ!」


にまにまと笑って了承すれば、少しだけほっとした顔をするので、そんなに私のことが好きなのかとマリアは気分が良かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ