表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/45

婚約者と


デートイベントは結局ナイジェルたちがカフェに入ってしまったので、追いかけるわけにもいかなくて、そのまま帰った。


「チェルシー。」

王城に王子妃教育の名目で訪れて、作戦会議に顔を出せば、深刻そうなナイジェルが居た。

「どうなさいましたか?」

「どうして邪魔をしてくれなかった……。」


デートイベントの事かと、直ぐに思い当たって、ナイジェルの表情に合わせ、チェルシーは真面目な顔で正面に腰を下ろした。


「何か、ございましたか。」

ナイジェルが言いたくなさそうにむっつりと口を噤むので、共に居たであろう護衛を見る。

「私がお話しても?」

声が震えている。彼はチェルシーの護衛と同じく、ナイジェルと年が近いが優秀なので、感情が出ているのは珍しい。


「簡潔に頼む。」

「はぁ。……あの聖女サマ、殿下に一緒に住みたいとアピールしてましたよ。」

そこまで好感度は高かっただろうか。

ゼロとは言わないが、男爵家での生活から救い出してくれるようには見えない。


「その時の殿下の顔と言ったらっ!」

「顔には出していないぞ。」

どうやら護衛は笑いを堪えているらしい。遠慮の無い関係なようで、微笑ましい。


「チェルシー、どうでも良い事を考えているだろう。」

「ぎくり。」

護衛と仲が良いと感じるのは、どうでも良い事とは違うが、話題の本質ではない。


「わざとらしく言わなくても良い。……躱すのは大変だったんだぞ。」

「でしょうねぇ。それ頷いていたら、攻略まっしぐらですもの。」

うんうんと頷くチェルシーに、ナイジェルはぐっと一度顎を引き、強い視線を向けて来た。


「それ……前世の記憶は不用意に触れてはならない、と言う不文律があるから、聞けなかったが、聞いても良いのか。」

「むしろどうして、聞かれないのかなぁとは思ってましたよ。」


ゲームとは違って聖女が重要視されていないから、それ程大ごとにならないだろうが、異世界転生者の情報はそれなりに重要な気がする。


「それはセイリオス帝国の建国の聖女が関係していてね……。確か、異世界転生者の記憶に触れると、えぇと……クロレキシ?に関わって、場合によっては発狂する危険がある?と言うから。」


深刻そうに告げるナイジェルに、チェルシーは我が身を思い返して沈黙し、数秒後には呻き声を漏らした。


「それ、分かる。めっちゃ、分かる。建国の聖女様マジ聖女様だわ。」

異世界転生した先が乙女ゲームの世界と判断出来るのは、前世で多少なりとも黒歴史がありそうだ。

そもそも、異世界転生と理解する時点で、お察しというやつだ。


「チェルシー、大丈夫か?口調がとても愉快な事になっているぞ。」

「はっ!……おほほほほっ、失礼致しましたわっ。」

やっぱり何か可笑しいが、そんなチェルシーにナイジェルは楽しそうに、そうかと頷くだけだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ