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詩全集3

焦点距離

作者: 那須茄子

君が置いていった写真はまだ

部屋の隅で埃を被ってる

 

「さよなら」の一言もなかった別れは

ただ僕を突き放したかっただけかな

君だけが剥がれ落ちて舞い上がったかのよう


この頃ベランダで煙草を吸う夜も

なんだかほろ苦い

今でも君が後ろから

抱きついてくれるんじゃないかと

振り返ってしまう

まだあの柔らかな体温が残っているから


流行りの曲が流れるたび  

君の姿がフラッシュバックする

そんなことあるわけないって 

自分に言い聞かせては

ため息で飛び交うノイズを塗りつぶす


もう君じゃない誰かと笑える日が

いつか来ることを願うけれど

ふと隣を歩く君の幻に

手を伸ばしてしまう 

離れようとすればするほど

それは鮮明にうつる


そうか

僕は焦点の内側にいる

僕の目というレンズで

ずっと虚像を見つめていた

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