1/8
1 舞踏会の夕方
ルファントリアスは綺麗な髪を櫛で指していた。
流れる金髪は、鏡を美しく彩らせるほど綺麗だった。
ルファントリアスは香水をかけて、使用人に髪を綺麗に結わいてもらった。
ルファントリアスは綺麗な声でこういった。
「許嫁のヌルはいまは何処にいるの?」
「今はバカンスへ。政府の仕事が終わったので。」
使用人が静かにいうと、別の使用人が道を案内する。
「では、舞踏会へ。」
「何だ、カリシス家のルファントリアスではないか。姪がお世話になってます、どうも。今度踊らないかい?ルファントリアス?」
「はい、喜んで。」
「あの方は?」
「カリシス侯爵様よ、見事なドレスと、素敵だわ。」