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吸鬼  作者: キツネ魂
5/6

4 危機

男は絶句した


妻が、いや、妻と思わしき焼き焦げた肉の塊が、少女に食われていた。


少女は男に目もくれず、妻の肉を貪っていた



「リっ………リエロッ………」


思わず妻の名前を呼ぶと、少女がこちらを向いた。


「…いい魔力量、『2人目』には劣るけど、こっちのほうが美味しそう…」


少女が何を言っているのか分からなかったが、男は少女に向けて、剣を抜いた。


「お前…お前がリエロを?殺っ……焼……?」



()()、私が…」



答え終わる前に、男は少女の首をめがけて

剣を振った。


少女は身を返し、剣を避け、

側面から剣を蹴り折った。


「【発火(キネシス)】」


男の身体に炎が舞う。


少女は勝ちを確信した……が、


「【拒絶(リジェ)】」


男の身体から、炎が消えた。


「……驚いたわ、終わったと思ったのに。」



「お前……魔術…、悪魔?お前悪魔なのか??

俺は妻も子も、悪魔に喰われてんのか??」


男の手が震える、怒りに満ちた目で少女を見つめる。


(……これは、まずいかも…)


少女がそう思った直後、男は折れた剣で少女の胸に剣を突き出した


「……ッ!」


少女は胸に剣が突き刺さるギリギリで身を逸らした。


「……首よりも胸狙われた時に焦るってことは、お前、やっぱり悪魔なんだな…??

そりゃそうだ、悪魔は胸刺したら死ぬもんな、5年前に知ったよ。」



(まずいまずいまずい、舐めてた、完全に舐めてた。まさかこんな所に、()()()()()()()()()()()()()がいるなんて……ッ!)



(……いや、冷静になりなさいレーヴ!5年前に悪魔が出没したんだからそりゃ対策してるでしょ!!馬鹿!!)


自分に対して叱責しながら、家の外に向かって走る。


「【強化(バフ)】、脚。」



しかし、背を向けて逃げる少女より、身体強化魔法を使い、それを追いかける男のほうが速い。


男が踏み込み、その脚力に耐えられず、

家の床板と男の脚骨が割れる音を聞き、

振り返った少女の目には、

既に剣を振り下ろそうとしている男が映った。



(や、死…………)











(………死んで……ない?)


少女がゆっくり目を開くと、目の前には胴体が裂かれた男の死体と、額から角を生やした少年が立っていた。


少年は、少女をじろじろと見て、口を開いた。




「…すっっっっっげえ馬鹿だね…キミ……」





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