序・人生を変えよう…じゃなくて‼︎
「優しい子だね、春紀は」
誰かが、そういう風に、言ったけ。
「あ、まただ」
「アホみたいじゃん、春紀」
誰だなぁ。
思い出せない。
「春紀ってさぁ」
「なんか普通じゃない?」
そんな言い方。
僕だって、さすがに傷つく。
「ならば、人生を変えよう」
どういう意味?
僕の人生は…
それより、さっきから、なんの声が…
「きろ」
「起きろ」
「おい」
聞いたことない声。
誰?
僕は、まるで長い夢から出すように、目を覚めた。
「うっ…」
そして、完全に呆れた。
全然知らない女性。
最初見えたのは輝いていた金髪。それは陽射しのように、とても、美しい髪。
まるで、お伽話の姫様。
それだけじゃなく…その星のような瞳は、本当に美しすぎて、全く現実にいる人間らしくない。
「女神様ですか」
ついそう言った。
「なっ、なんなんだよそれは」
女性は、信じられなさそうな顔。
「大丈夫かい?顔が悪いぞ」
「ええ」
思わず答えた。
「あのう、ここは、」
周りを見て、完全見知らない環境だと分った。
「野羽原だよ」
「野羽原って、」呆れる。
「魔法使いの修行地」
「……」
全然理解できない。
漫画や小説みたいな台詞。
けど、ここは現実。
…でしょう?