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外伝 ブラック

評価やブックマーク、いいねをして下さった方々有難う御座います。

勿論、読んでくださった方々、有難い限りです。


それでは、ブラック誕生秘話お楽しみください。

 私は、地球では発明家だった。

『自動缶蹴り機』なる名作を生みだしたが、散々な酷評を受けた。

 缶蹴りをやる時に、自動で蹴ってくれるという優れものなのに凡人にはそれが理解できないようだ。

 今度こそ、世に認められるような傑作を作ろうと意気込んで制作していた矢先のこと。爆発事故を起こして死んでしまい、気づけば魔法のある異世界に転生していた。


 私は、只管(ひたすら)に魔法の勉強をして、科学と魔法の融合を果たした傑作を世に広めようとしたが受け入れられなかった。


『既に魔道具があるんだから別にいらないし』だとか『いやいや、そもそもソレ使い道ないでしょ』などと馬鹿にされる始末。


 この世界にはどうやら、私の素晴らしさをわかる連中はいないようだ。怪物と戦ってばかりの連中だから無理もない。私の作品は、どれも平和な世界でこそ、役に立つというもの。


 故に私は、母なる大地へと帰るための装置を作っていた。


「よし、ついに完成したぞ」


 完成した装置は、ロケットランチャーの様な形状で、引き金を引くことで二メートル先にゲートが出現するという仕組みになっていた。


 私は、装置を起動する為に、研究所の外へと出た。


 この研究所は、町を見渡せる小山の上に立っていた。元々は町に住んでいたのだが、住人たちから『うるさいだの、爆発やめろだの』苦情が大量に来たために仕方なく越してきたのだ。


「さらばだ。異世界人……ブラックホール発射……なんてな」

 私は、帰還できる喜びに、テンションが上がりふざけながら引き金を引いた。


 圧縮された球体が筒から飛んでいき……予定の二メートルを超えてもゲートが出来ない。


「……おかしい。失敗したのか?」


 私は、球体の行方を見守り続けた。

 やがて球体は町の上空まで飛んでいき、大きく広がった。


 広がった球体は、次々に町や人々を飲み込み始めた。


 この光景何処かでみたことある……。


「そうだ! 掃除機に吸い取られて……まるで人がゴミの様だ!!」


 町や人々を飲み込んでいく球体は、どんどんと膨れ上がっていった。


「……え? あれもしかしてブラックホール!?」


 まずい……まずいぞ……。

 私は、熟考したが答えは見つからず、大きくなっていく球体に吸い寄せられていく。


「こ……こんなはずでは……いや、まてよ。ブラックホールを作り出すなんて私はやはり天才だったんだぁ……」


 私は、自分の天才っぷりに驚きながらブラックーホールに飲み込まれてしまった――。




 ◇



 その日、一つの星が消滅した。否、破壊は星だけに留まらずに宇宙すらも消滅させてしまった。


 これは、まさに破壊神の御業である。ただし、破壊した本人も消滅してしまったが……。



 ◇



 私は、気づくと日本の部屋の中にいた。


 そうか、私は失敗などしていなかったのだ。現に今、地球に帰ってこれたのだから。


『おーい、大丈夫か?』


 よく見ると消防車が私に向かって話しかけてきていた。


『ああ、大丈夫だ。私の天才っぷりに愉悦(ゆえつ)していたところだ』


『そ……そうか。ところで、そちらは黒い乗用車になっていることはご存じで?』


『な……なんだと!?』


『あー、やっぱり気づいてなかったのか。俺ら転生者は、向こうでやらかすとこうやって戻ってくるみたいなんだ』


『やらかしだと? 私はやらかしてなどいない。ただ地球に帰ろうとしてブラックホールを作り、世界と共に飲み込まれただけだ』


『ブラックホール!? それに世界と共にって……星消滅させたのか……』


『ああ、凄いだろう。元々は地球に帰還するための装置を作っていたのだが、手違いでブラックホールになったのだ。怪我の功名というやつだ』


『う……うん……逆に凄いな……それを誇れるなんて……』


『何を言ってるんだ。自作でブラックホールだぞ!』


『あ……』


 何を思ったのか、消防車は何処かへと行ってしまった。


「くるま、みつけたー」


 俺は、大きな女の子に捕まってしまった。


「くるまおにぎり、つくろー」


 俺の体が粘土に包み込まれていく……。


『く……くるしい……死ぬ……』


『おーい、俺ら玩具は、端から呼吸してないから死なないぞ』


 消防車の声が何処からともなく聞こえてきた。


『な……生き地獄じゃないか……』


 このままずっとこの暗闇の中……。


『た……たすけてくれー』


『すまない、消防車の玩具だからどうすることもできない。出られるまで頑張って耐えてくれ』


『そんな……』


「かして」


 女の子よりも幼い、男の子の声が聞こえた。


「いや!」


 女のがそういうと俺は何処かへと投げ飛ばされたようだった。


『おい、俺はどうなったんだ?』


 消防車の声は、帰ってこなかった。



 俺は、いつまでもいつまでも、まっくらな粘土の中に閉じこまれ続けるのであった――。


いかがだったでしょうか。

これにて、『異世界無双……否! 異世界爆走は止まらない!!』は、閉幕となります。


コメディは、いいですね。書くだけでもテンションが上がっていきます。

また、コメエディを書くときがあれば、今度はつっこみ役も欲しいですね。その時は、多分人間になると思いますが……。



ここまで読んでいただき、誠に有難う御座いました。

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