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「友達に戻ろう」

　彼女に言われたのが三日前。出かかった言葉はしぼんで、代わりに「分かった」と絞り出した。何一つ分かってなんていない。

　別れたくない。失いたくない。相容れない気持ちがせめぎ合う。二度と会えないのは嫌だ。それなら友達の方がいい。たとえいつか彼女が他の人と結ばれたとしても、それを笑顔で見送らないといけないとしても、そばにいる権利が欲しい。

　別れた夜、「これからもよろしくね」とDMが来た。大丈夫、「これから」がある。私が撮った笑顔の彼女を見つめた。この笑顔に一目惚れをしたんだ。きっとこのアイコンも変えられてしまう。「親しい友達」からは外されてしまったけれど、でもまだ「友達」として繋がっている。

　「おめでとう」を言うその日までに、私の気持ちに名前をつけて整理しておこう。彼女を「友達」の箱に収め、蓋を閉める。もう「恋愛」と呼べなくても、私はずっと彼女を想うだろう。

　この気持ちに名前をつけなさい。