物語の始まり
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「「「カンパーイ‼︎」」」
私は急に聞こえた掛け声に驚き、飛び起きた。冬景色とは一変した桜が満開に咲いていて桜の木の下では宴会が開かれていた。
「いやー、今年もお疲れ様。」
「今年の売り上げは去年よりも少し下がっていたから今年の目標は今年よりも多くのお客様に来てもらって最高に美味しいコーヒーを飲んでもらおう。」
「ひとまず、目標とか気にせず今日はカンパイしよう。」
「じゃあ、もう一度カンパーイ‼︎。」
「「「「カンパーイ‼︎」」」」
電気毛布は熱くてすぐにコンセントから抜いたが状況の理解に追いつけなかった。これも、目の前で宴会を開いてる人たちのせいなのか。
目を上に向けると桜の木が満開に咲いていて風が吹くと絵に描いたような桜吹雪景色が広がっていた。
昨日の夜にこっそりと家を出てこの状況を考えると現実では神隠しにあったとか言われているんだろうか…
我が家では親は酒に弱いのに毎日飲んで、意識がなくなるまで飲み続けることや変な薬に手を染めて捕まるのことも何回も見てきたから何か…私っておかしいな…何で冷静でいられるんだろ…
と、ふと思ってしまう…
一回整理しよう。
猛吹雪の大寒波の日に、公園にこっそり遊びに行って眠ったら桜の舞う分からない場所。私まだ17歳でギリギリ成人してないんだけどな…成人式を経験してみたかった…
まぁ、仕方ない。今を受け入れて今を楽しもう‼︎考えてる時間がもったいない。
ひとまず、場所を確認するために来た道を戻ることにした。桜が咲いているので今の格好ではかなり暑いから着替えたいのだ。
ベンチから立ち上がり歩き始めると桜の絨毯を踏み締めているような感覚を感じながら家に向かった。
不思議なことに、住んでいた街と変わらない景色でただ雪の舞う冬景色でなく桜の舞う春景色になっているだけでパラレルワールドに彷徨った感覚だ。
一つだけ違うことは私の住んでいた家が
カフェテリアになっていたことだ。私の家はどこ?
家の2階の外装は変わらないが一階が改装されていておしゃれになっていた。しかも私の好きな色で塗装されていてこの世界が好きになった。いくら見ていても汗をかいたこの洋服は着替えないといけない。私は扉を開け
カフェテリアになった私の家にと帰った。
私は、目を疑った。並行世界だから考えられるが本当に私自身がいてカフェテリアで働いていた。
声をかけようと思ったが都市伝説にある
:同じ顔の人が世界には...
とかいうのを実現させないように静かに私の家から離れた。行くあてがなくなった私は駅に向かって地図を確認して食料を調達できる湖に行くことにしました。湖には淡水魚がいて湖の周りには食べられる野菜がたくさんある。人生、一度はしてみたいサバイバル生活…今始まる。