ピパロン王国警備隊 第3話 BUTAKIN
〇配信
ヘイヘイ、ハロー、ピーチューブ。
とうも、BUTAKINです。
ルミ隊員「いつもながら、BUTAKINさんのピーチューブはホッコリするな~」
トーマ隊長「おい、ルミ隊員、勤務中に何をしてるんだ。」
ルミ隊員「あ、隊長、BUTAKINさんのピーチューブ動画が配信されたのでつい見ちゃいました。」
トーマ隊長「豚菌?!おいおい、へんな菌を持ち込まんでくれよ。」
ルミ隊員「は~?BUTAKINさんを知らないんですか?ピーチューブ界のパイオニアにして登録者数1000万人を誇る凄い人なんですよ~」
トーマ隊長「ふーん、なんだかよく分からないが変な世の中になったなー」
プルルル、プルルル・・・
トーマ隊長「おい、ルミ隊員、電話だぞ。」
ルミ隊員「ハイハイ、ただいま・・・こちらピパロン王国警備隊です。」
???「あの、ちょっと相談したいことがありまして・・・」
ルミ隊員「どうしました?(どこかできいたことがあるような・・・)」
???「はい、実は最近、僕の偽物が現れれて困っているのです。あ、申し遅れましたが、僕、ピーチューバーのBUTAKINといいます。」
ルミ隊員「えぇぇっ」
〇BUTAKINさんの部屋
トーマ隊長「さすが人気ピーチューバーの住む部屋はすごいな~」
ルミ隊員「隊長、そんなにキョロキョロしないで下さい。みっともないですよ。仕事仕事!」
トーマ隊長「ああ、そうだった。BUTAKINさん、偽物について聞かせてください。」
BUTAKIN「はい、まずはこれを観て下さい。」
ルミ隊員「おお、これは正しくBUTAKINさん・・・じゃない?」
BUTAKIN「FUKAKINと名乗る僕そっくりの男が現れ、僕と同じ時間に同じ内容の動画を配信しているのです。」
トーマ隊長「なるほど、BUTAKINさんの偽物、FUKAKINと名乗る不届きな男を逮捕すれば良いのですね。」
BUTAKIN「いや・・・最初はそう思ったのですが、だんだん、向こうが本物で僕が偽物じゃないかと思ってきて・・・」
ルミ隊員「そんなわけないじゃないですか。BUTAKINさんは本物です!元気だしてください!」
BUTAKIN「そうだといいのですが・・・」
〇予告状
ピーンポーン、ピーンポーン
BUTAKINさん、メッセージカードが届きました。
BUTAKIN「なんだろう?」
親愛なるBUTAKINへ
私は世間を騒がす大泥棒、怪盗オリーである。
BUTAKINのピーチューブはいつも楽しく拝見しているよ。見ているうちに、君のサングラスが欲しくてたまらなくなってしった。いつもなら拝借するところだか、元気がないBUTAKINから奪うのは忍びない。取引しないか?君がサングラスを送ってくれれば、FUKAKINが気にならなくなるよう手配しよう。なんたって、FUKAKINは私が作った幻だからね。
宛先は「ピパロン王国 怪盗オリー宛」でOKだ。よい返事を待っているよ。
怪盗オリー
トーマ隊長「怪盗オリーめ、またふざけたことをいいやがって。BUTAKINさん、こんな脅しに屈してはいけませんよ。ここはトーマ隊長にお任せください!」
ルミ隊員「(またカッコつけてる、この間は寝てたくせに)」
BUTAKIN「いえ、サングラス、怪盗オリーに送ろうと思います。」
ルミ隊員「えぇぇ!」
BUTAKIN「サングラスは沢山もってますから。これで解決出来るならそれに越したことはありません。」
トーマ隊長「まあ、BUTAKINさんがそういうのなら・・・怪盗オリーめ、命拾いしたな!」
ルミ隊員「どちらかと言うとトーマ隊長がまた失敗しなくて済んだのでは。」
トーマ隊長「そうとも言えるが・・・いや、ともかく元気が一番。今日は帰ろう。」
〇後日
BUTAKIN「この間はどうもありがとうございました。あの後、僕のそっくりな人はいなくなり、これまで通りの活動ができています。」
ルミ隊員「良かったですね、動画、楽しみにしてますよ。」
BUTAKIN「ありがとうございます。でも、本当は幻なんかではなく、違う世界で僕そっくりな人がいて、活動を続けているのでは、と思う時もあります。」
トーマ隊長「まあ、そんなもんですよ。私も違う世界では怪盗オリーを逮捕して英雄になっていると思うこともありますし、似たようなものですね~」
ルミ隊員「それはないとおもいますけど。」
トーマ隊長「ルミ隊員なんか、小学一年生だろ。」
ルミ隊員「なっ...!トーマ隊長なんか...5歳です!」
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