ひとまず「序章」が終わりましたので、資料を付け加えさせていただきます。
ここまで、お読みいただきまして、誠にありがとうございます。
何の説明も無く始めてしまった「序章」ですが、これで一狩り終わった感じなんで、モンスターが出没する日本の状況ぐらいはお伝え出来たんではないかと思います。
「次章」からは、雰囲気というかテンポというか、少し大人しい淡々した感じになるとは思いますが、続けてお読みいただければ嬉しいです。
一応、下記に資料データを纏めておきました。
「次章」からのお話は3年前に遡りますので、これらは暫く関係ありません。
暇潰しにでもご覧いただけたら幸いです。
〇 <ヒト型 魔人> の文化や知能の発達レベルを測る基準 (環境省 20XX年)
L01:類人猿(ゴリラ、チンパンジー、オランウータン並み)
L02:猿人(アウストラロピテクス、パラントロプス並み)
L03:旧石器時代(ホモ・エレクトゥス、ホモ・ハビリス並み)
L04:中石器時代(加工石器の使用、死者の埋葬など)
L05:新石器~金属器時代(土木工事、食料生産、社会の組織化)
L06:中世~近世(宗教、思想、哲学、芸術、法律、身分制)
L07:近代~現代(産業革命以降)
L08:人類以外(計測不能)
〇 <特殊外来害獣> の駆除にあたっての規定方針と難易度 (環境省 20XX年)
L00:無害であり、可能な限り捕獲を優先すること
L01:環境や生態系に悪影響を及ぼす可能性があり捕獲と駆除の両面で対応すること
L02:農漁業への深刻な被害を及ぼす可能性があり捕獲と駆除の両面で対応すること
L03:家畜・ペット等への被害を及ぼす可能性があり捕獲と駆除の両面で対応すること
L04:家屋や公共施設等、個人又は公共の財産への被害を及ぼす可能性があり捕獲と駆除の両面で対応すること
L05:人口過疎地域にて住民の生命に危険を及ぼす可能性があり駆除を優先すること
L06:人口密集地域にて住民の生命に危険を及ぼす可能性があり駆除を優先すること
L07:高度な犯罪に相当する事案が発生し、住民の生命に危険を及ぼす可能性があり駆除を優先すること
L08:都市のライフラインに深刻な被害を及ぼす可能性があり駆除を優先すること
L09:政治・経済・交通・医療等、広範囲な分野に深刻な被害を及ぼす可能性があり駆除を優先すること
L10:国体に被害が発生する可能性があり駆除を優先すること
※L05以上は、複数名での駆除が推奨される。
※L08以上は、基本的に警察庁、海上保安庁、自衛隊が対象となる規模の事案。
〇 特殊外来害獣ファイル No.01
Type GIGAS
分 類:ほ乳類
識 別:ヒト型 魔人
分 布:東アジア、北米大陸、ポリネシア南部の森林地帯に生息
身 長:成体は2メートルから2.5メートル。
体 重:200から250キロ
特 徴:
・全身の皮膚が薄い緑色をしている。
・寄り目で額が狭く鼻梁の長い顔の構造が、マントヒヒに良く似ている。
・体毛があるのは生後半年までの子どものみであり、この時期は全身が薄い毛に覆われている。成長と共に抜け落ちてしまい、成体に体毛は無い。
・繁殖形態は胎生で、1回に1匹(稀に2匹)の幼体を産む。
・知能はレベル3(ホモ・エレクトゥス並み)であり、火の利用と打製石器やこん棒の存在が認められている。
・移動可能で小規模な生活共同体的を形成するが、その内容は絶対的な権力を持つボスの一家を中心とし、他は厳格な一妻一夫制により成立した番いの集合体である。
・食性は雑食であり、肉を得るために集団で狩りをする以外に、木の葉、果実、種子等も食べる。
備 考:
・記録では身長3メートル、体重500キロを超える個体も確認されている。
・非常に力が強く、人間を襲う際には組織的に行動するので、駆除の難易度はレベル6と判定されている。
Type NOZUCHI
分 類:多毛類
識 別:環形動物型 魔獣
分 布:東アジア、東南アジア、ミクロネシア、メラネシアの森林や湿地に生息
体 長:4メートル以上(成体)
体 重:500キロ以上(成体)
特 徴:
・外見は巨大な黒いゴカイである。
・身体は環状の体節に分かれており先端に口前葉らしき構造を持つが、目や触手、感覚器といった既知の付属器官を持たないため、音と振動を感じ取る特殊な器官や、温度の変化を捉えるピット器官のような存在が推測されている。
・但し、これらは未だ推測であり結論とされてはいない。
・柔らかな体質を持つ既存の環形動物と異なり、背に当たる半身がライフル弾をも跳ね返す硬質の外骨格で覆われているのが最大の特徴である。
・食性は肉食でその性質は極めて獰猛、同族も含めてあらゆる生物を見境なく獲物と認識して襲うため、群れることはなく常に単独で生息している点も既存の環形動物とは異なる。
・湿度の高い森林や湿地帯に生息する大型のモンスターだが、生息に適した環境が整っていれば、都市の下水道や廃屋に住み着くこともあるので、度々人的な被害を出す。
・生殖行動には不明な点が多く、雌雄同体であることだけが判明している。
備 考:
・駆除の際には背面の硬い外骨格を避けて腹部を狙わなければならないが、真っ二つにされても暫くの間は死なずに生きているので、火炎放射器や爆薬、薬品の散布などで全身にダメージを与える攻撃が有効。
・追い詰めると強毒性の唾液を吐き出すので接近戦の際には要注意。
・体液が非常に臭いので駆除の際には注意すること。
Type SAIKYO
分 類:ほ乳類
識 別:ウシ型 魔獣
分 布:ユーラシア大陸、北米大陸、アフリカ大陸、オーストラリア大陸の広範囲に生息
体 高:2メートル以上(成体)
体 長:3メートル以上(成体)
体 重:800キロ以上(成体)
特 徴:
・その外見はウシ以外のナニモノでもないが、頭部に前方を向いた長さ1メートル以上もある一対の大きな角が生えており、絶滅した家畜牛オーロックスに非常に良く似ている。
・体色は個体差が大きく、赤褐色、黒褐色、黒色、灰色など様々である。
・群れは作らず、雄雌の番いで行動する。
・繁殖形態は胎生で、1回に1匹の幼体を産む。
・生後間もない幼体は約半年の間、両親と行動を共にするが、子別れの後には自分のパートナー探しを始める。
・モンスターの中では比較的大人しい部類で、自ら進んで人を襲うようなことはせず、人里に現れることも殆ど無いが、繁殖期やパートナー探し中の個体は雄雌共に気が荒くなっているので要注意とされる。
・大きな角と巨体を利用した突進力は危険であり、体内に蓄えた化学物質を口から放出し、それに電気的に引火させる器官を備えており、口から高温の火炎を噴く魔獣として恐れられている。
・駆除した後、解体して食肉とされることもある。
以上
次章からは、
「なんで世界が、こんなんになってしまったのか? 」
3年前に遡って、当り前の日常から大異変に至るまでのお話になります。
それと、3年前なんで、主人公である“私”が女子高生だった頃のエピソードにもなります。よって、今までは素通りしていた“私”の自己紹介などもキチンとさせていただきます。もちろん、シデンがナニモノなのかも語らせていただきます。
序章をお読みいただいた方には色々と不明な点が多くて、
「なんじゃこりゃ? 」
的な内容だったと思いますが、以降は丁寧にお話を進めさせていきます。
何卒、よろしくお願いいたします。