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えっと 後日談~です。

 こっちの世界と異世界が融合してから3年が経過した。


 あの日に起こった世界の融合は、シデンのおかげで最小規模に抑えられたけど、それでも世界中にモンスターが出現しまくって世界大戦争みたいなことになっちゃった。

 世界の人口は半分に減っちゃったし、モンスターのおかげで国体が維持できなくなって消滅してしまった国も多い。

 なんでも、今のところ国と呼べるほどの体制を維持できてるのは国連加盟国のうちじゃは70か国ぐらいなんですって。

 社会の教科書には今でも国連加盟国は200か国以上って載ってるけど、現実はそんな感じ。


 ちなみに、アメリカや中国やロシアなんて強力な軍隊持った超大国は今も残ってるんだけど、健在とは言い難い状況かな。

 そもそも、この3国は国土が広過ぎるんだよね。

 広大な国土の彼方此方にモンスターが引っ切り無しに出現してるから、落ち着く暇なんて無いみたい。

 モンスターに何処かの都市を占領されたとか、モンスターが国内で領土宣言したなんて話も聴こえてくるし、その奪還作戦も頻繁に行われたりしてて、殆ど内戦状態だよ。


 それでも、やっぱ国が残ってるだけ未だマシというべきかな。

 国防力や警察力が貧弱な国なんかは、超常的な能力を発揮する怪獣みたいなモンスターに襲われて滅びちゃったり、国土が削られて縮小しちゃった国もあるんだから。


 そんな感じで、この3年余りに世界の地図や勢力図が随分書き換わっちゃった。


 但し、それ以前は世界中の国家間、民族間、宗教間で起きていた争いが殆ど無くなっちゃったってことだけは良いことなんだと思う。

 まあ、異世界の侵略者たちとの争いが大変過ぎて、人間同士で争ってる場合じゃないってことなんで、所詮は一時的なことなんだけどね~


 世界がそんな状況にある中で、日本はわりと落ち着いている方だと思う。

 政府や自衛隊や警察が機能していて、一定の経済や流通、教育や秩序なんかも保たれている日本は凄く運の良い国だったりする。

 日本以外には、イギリスやニュージーランド、あとは台湾なんかが割と落ち着いてるってことだけど、そういう国は少数派みたいだしね。

 でも、現在の日本の人口は約1億人弱なんですって。

 つまり、約2000万人以上の人々の命が失われちゃったってことになる。

 もちろん、その原因の多くはモンスターの襲撃なんだけど、環太平洋一帯では地形の変動が相次いだので、その二次災害で亡くなった人も多いって聞いてる。

 それに、世界が融合した時、海外にいた日本人は殆どが帰国できず、国外で命を落としてしまったらしい。

 やっぱ、日本人にとっても、世界の融合は間違いなく大惨事だったってことなんだ。


 おっと! ここで、忘れちゃいけないことがある。


 世界の融合で酷い目に合ってるのは人間だけじゃないってこと。

 モンスターのせいで数を減らしたり絶滅してしまった地球上の生物は多数あるし、生息域が変わっちゃった生物も沢山いる。

 日本でもモンスターとの生存競争で敗れて絶滅寸前に陥ってるっていう動物の話はよく話題になってる。

 例えば北海道のヒグマ、本州のツキノワグマとか、大型の捕食動物はモンスターのせいで餌が無くなって、かなりヤバい状態らしい。

 以前は増えすぎて困ってたエゾシカも、モンスターに狩られて大きく数を減らしてるっぽいし、野鳥なんかも生息域が大きく変化してるっぽい。

 日本近海じゃサンマとかアジとかイワシなんていう従来の魚が少なくなってしまったらしく、その代わりに水揚げされた未知の新種が食卓にあがっているほど。

 ここのところ、北太平洋で新たに採れるようになったっていう巨大イカがお惣菜なんかで揚げ物や煮物の食材として見掛けるようになった時は、ついつい嫌なことを思い出して吐きそうになったこともある。(今じゃ気にせず食べてるけどね)


 こんな感じで世界の実情を語り始めたら、何時間語っても尽きないくらいのネタがある。

 だから、そういうのは追々語ることにして、今のところはこの程度で止めておく。


 でもまあ、人類が滅亡しなかったことは何よりである。

 人類は、ひ弱そうに見えて実は逞しかったみたい。

 生き残った国同士、生き残った者同士、外交し、交易しながら、技術協力や文化交流もなんとかやれている。

 だから、モンスターさえいなくなれば、人類は世界を再建することができる力を残しているのである。

 人類以外の生物たちも、なんとか頑張ってくれることを望みたい。


 世界を元通りに戻すために頑張っている人が大勢いるんだし、なんとかなると思うよ。



 ◇



 私は大学2年生、年齢は20歳になった。


 世界融合から3カ月ほど高校は休業のままだったけど、最初にオンラインで授業が再開され、半年後には都市部の小中学校や高校では殆どが通常授業に戻った。

 それでも不安定な時期が続いていて、度々休みもあったので、私たちが高校3年生だった時、受験生にはかなり厳しい状況だった。

 でも、私の場合は短期集中型で猛勉強したおかげで、なんとか第1志望の国立に合格。

 母が残してくれた貯金と奨学金のおかげで、学費に困るようなことも無く、無事大学生になれた。


 それと、高校3年生の時と言えば、汐見さんから勧められて、強引に取らされた資格がある。


 < 特殊外来鳥獣駆除業 >


 国土交通省、環境省、農林水産省の三省が共同認定している資格なんだけど、早い話がモンスター狩りの免許証。

 世界融合の後、モンスター対策の半分を民間に委託する政策が決まったんだけど、案件を受注できるのは、この免許の取得者に限られるんだって。


 ところで、これの取得を私に進めてくれた汐見さん、世界融合の前日、東京湾岸での事件の時には洲崎や小鬼にやられてボロボロになってたけど、シデンの応急処置が効いたおかげで、リハビリ含めて全治1か月半程度で見事に回復。

 全治数か月かって大怪我に見えてたんだけど、流石に警察官だけあって鍛え方が違うんだろうね。

 その後は一時だけ公安に戻ったんだけど、直ぐに国土交通省の外局として新たに立ち上がった、


 < 特殊外来生物対策庁 >


 の “ 警備救難部 ” に席を移してた。

 何するところなのか、詳しくは分かんないんだけど、今の汐見さんは “ 情報捜査官アナリスト”ってことになってる。

 現場を走り回るんじゃなくて、デスクワークが中心っぽい仕事なんで、最初はスゴク不満そうにしてたけど、


 「もう汐見さんも若くないんだから、身体使って頑張るのもたいへんでしょうし、良い仕事じゃないですか? 」


 と、言ってあげたら暫し愕然として動き止まってたけど、なんとか頷いてはいたかな。

 たぶん、年寄扱いされたみたいでショックだったのかも知れないけど、親しい人が危険な目に合わずに済む場所にいてくれたなら、私は嬉しい。


 そんな汐見さんが、最初の仕事として私のところに持って来たのが、前記した “特殊外来鳥獣駆除業 ” の免許取得の勧め。

 これは私の推測なんだけど、この免許を取得させることで、国が私を管理下に置こうって腹なんだと思う。

 そりゃそうだよねぇ、こんな戦闘超人みたいな女子を世間に放置しとくなんて、私が国側にいる人間なら絶対に思わない。

 でも、私は、異世界の門を閉じて、世界融合による被害を最小限に抑え込んだ功労者であるオオクチノマカミさまの眷属だから、捕まえて檻に入れるとか、実験動物にするなんてできない。

 そんなことをしたら、日本国とシデンの戦争になっちゃうから。

 シデンは弱くなったみたいだけど、まだまだ軍隊相手に喧嘩するぐらいの力は残してるみたいだし、好き好んで敵には回したくないでしょうよ。

 で、国が考えたのは、私をモンスター対策に組み込むこと。

 そうすれば、オオクチノマカミさまも一緒に組み込めちゃうわけだし、常に国の管理下に置いて、有効な手駒として活用できるってこと目論んでたんだと思う。

 この推測を汐見さんに言ったら、肯定はしなかったけど、否定もしなかった。

 たぶん、会ってるんじゃないかな。


 最初にこの話を聞いた時、私は難色を示した。

 私が目指すところの平凡で穏やかな人生とは遠いところに行っちゃいそうで、ちょっとなぁ~ って感じ。

 そんな私が、この免許を取得するに至った理由は単純明快。


 「めっちゃギャラ良いじゃないですか! 」


 汐見さんが見せてくれたモンスター狩りの報酬設定(試案)を見てビックリ。

 大学生になってからの生活費稼ぎするため、どうせアルバイトは探さなきゃなんなかったんだけど、こっちの方がそこら辺で学生可のアルバイト探しするより全然良かったのよね。

 で、私はお金に釣られて、国の持ち駒としてモンスター退治に携わることになったのだ。

 もちろん、シデンも道連れ。


 ちょっと納得いかなかったのは、資格取得に試験があったこと。

 私を国の管理下に置きたいんなら、免許ぐらい無試験で寄こしなさいよって思った。


 「まあ、実技試験免除ってことで頼むわ。」


 学科だけで良いからって、まるで自動車運転免許じゃん。

 結局、受験勉強で忙しい最中に参考資料渡されて資格取得の勉強までしなきゃなんなくなった。

 一般教養や銃刀法を始めとする法律を3日くらい前から頭に叩き込んで、それで合格したんだけど、自分がいったい何点取ったのかは分からない。

 誰も教えてくれないし、秘密なんだってさ。


 ところで、免許証は即日発行だったので、確認したら、


 <国土交通省特殊外来生物対策庁 特殊外来鳥獣駆除業 免許証番号 00-00001-F>


 え? 1番?

 私が第1号ってこと?

 Fって “female” のFなの?


 新設された資格の、取得者第1号になるなんて考えてみればスゴイことだよね。


 ビックリだわ~

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