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青色

作者: 秋野 寛

彼女にとって、その青色は特別な色だった。

午前4時、宇宙の青。僅かに差した日光で、ぼんやりと明るくなった、深い色。そんな空を見上げながら、彼女は今日も、通信装置に声を吹き込む。


「聞こえていますか? 君が宇宙に旅立ってから、今日で丁度5年になるんだね。なんか、あっという間だったな。ねぇ、……」

少しだけ話しをして、締めくくる。

「また明日、同じ時間に連絡するね。今度会えた時は、君の話も聞かせてください」

一方通行の通信。今度会えた時、なんて言うけれど、その今度が訪れないことなんて最初からわかっている。

宇宙開発、なんて銘打たれたその企画は、要約すると『行ったっきりの宇宙飛行』だ。地球への帰還は、最初から予定に含まれていなかった。


『時間感覚狂うと良くないから。毎日同じ時間に、連絡をくれないか?』

視界に残る、まだ褪せない記憶。君がくれた、最後の約束。

彼女は今日も、4時の空を眺める。

ありがとうございました

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