表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/48

どこかの場所にて 2

ストック分を予約にて投稿しております。

暫くは毎日投稿です。

── 小一時間 周りを観察したり、アレコレ考えてみても何も状況に変化が無く、だんだん面倒臭くなってきた。

こうなったら覚悟を決めて、白い球体(アレ)をもう一回調べてみるしか無さそうだ。



… …… ……… ……………



近付くにつれ、心なしか点滅する感覚が短くなってる気がする…


いや、気のせいじゃなく点滅速度がどんどん早くなってきた。

あと数メートルの所で(ほとん)ど光りっぱなしになって、激しい自己主張をする白い球体。

今度こそ何か起こるのかと身構えていると、不意に誰かに呼ばれた様な気がした。


『…!…!!』


声無き声が聞こえてくる… どこからとかじゃ無く、直接頭の中に訴えかけてくる"声"…


「何ナニなに??」


ハッキリとした言葉とかでは無く、イメージと言うかニュアンス的なものが頭に浮かんでは消えて、正直、気持ち悪っっ!?

乗り物酔いに似た症状と混乱の最中、向こうに浮かぶ白い球体の光り方が微妙に同調(リンク)している事に(ようや)く気付いて、この"声"が白い球体(アレ)が発している可能性に思い至る。


未知との遭遇に対して取るべき行動は、基本はアレだ。まず挨拶だ。

社会に出て、最初に取れる処世術だ。


「え~っと、こんにちは?」


我ながら、物に向かって何を言っているのかと(あき)れつつ、でも白い球体からの意思の様な"声"を感じていたのも確かだ。

挨拶をして怒られるのは、狂人か不審者に間違われた時だけだ。


『……。』


うん。言葉では無いけれど、挨拶を返された感じがする。同時に、ご機嫌斜めなニュアンスも、余す事無く伝わってくる。


─ 感情があるのかよ。 いや、マジでコレって何??



『…。……!…』


『!!…。……、』


だんだん何を訴えているのか、分かってきたぞ。

…どうやらコッチに来い。と言ってるみたいだ。


って、何かの罠にしか思えないんだけど? どこからどう見ても、怪しさしかないんだけど?

どうしてそんなに不機嫌なの?

実はお腹が空いていて、不用意に近付いたら美味しく食べられるって事に、なったりはしないよね?


『……。…、………。…』


一定の距離を保ったまま疑いの眼差しを向けていた為か、それとも今まで放置された事を根に持ってか、()ねたニュアンスを込めつつ"声"を送る白い球体。


「えっ? 今なんて言った??」


『………。…。…、…。』


相変わらず不明瞭ではあるが、オレの事を"何処か"に送り出したい。いつまでもここのままじゃ困る。

…そんなニュアンスだかイメージを送ってくる。…()ねた感じのままで。。。。


状況に理解がまったく追い付いていない中、それでも意志疎通出来る(?)存在は無下にしない方がいいだろうと判断するくらいは何となく頭は回ってきた。


「何か悪い事をしたのなら、謝ります。すいませんでした。 ただ、全然知らない場所にいきなり居るもんだから…それにこんな喋り方?なんて、見た事も聞いた事も無かったから、全然余裕がなかったんだよ。とりあえず、何か危害を加えてきたりとか攻撃してくるとかは…無いですよね?」


『…!……、…。』


どうやら向こうには、その気が無いらしい。半信半疑なままだが、直接伝わってくるイメージに嘘は無いように感じる。


「とりあえず色々聞きたいんだけど、まずココはどこなのか教えてもらってもいいでしょうか?」


『……、…。』


「ゴメン。それじゃよく解んない」


『…、……、……。…』


「ん~…。とりあえず、元々居たトコロに戻してくれないかな?」


『…?…、…。』


「えっ?」


『…?…、…。』


「ん~。…戻れ無いって、どう言う事? もうちょっと上手く伝えられない?」




────────


悪戦苦闘しながら、彼?(彼女?)の話を(まと)めると、やはり今居るココは、自分の知っている所では無いらしい。

じゃあドコかと言うと、よく解らない。言葉としてでは無く、理解がそもそも出来ないトコロって云うか、俗に言う"異次元空間"とか"別の世界"のイメージなのだと思う…多分。

あまりそう言うオカルトとかSFとか詳しく無いんだけどな…


もし自分の見てる夢だとしたら、随分と回りくどいなぁ。






そして肝心の戻れない理由は、さっぱりわからないままだった。。。。。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ