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79歩目「ジェラートの弱点」

―――『Side 運び屋 ラドリオ』


「あっぶねえな!」

 ジェラートが発する脅威度・高のアラートの反応して、ラドリオはジェラートを急速前進させる。

 本来は、高速移動時に急減速、急旋回を行うためのブースターであり、加速は一瞬だったが間一髪銃弾の蜘蛛の糸から逃げ出すことができた。


「……まじかよ」

 ちらりと後方を確認し、先ほどまで自分がいた場所に底の見えない大穴が空いているのを見てラドリオは小さく身を震わせる。

 先ほどの爆発は何とか防御が間に合った、衝撃で地面にたたき落とされはしたが自分にもジェラートにも損傷は殆どない。

 でもあの攻撃は恐らく駄目だ、ジェラートの守りを貫通するのには十分なエネルギーを持っているように見える。

 再びこちらを絡めとろうとしてくる銃弾の線に比べれば連射力は圧倒的に低いだろうが、絡めとられたところで連射された場合どうなるかは分からない。


「つまり全避けか」

 ジェラートのより複雑な軌道を取らせる、全避けと言いながらも動きに束縛されない程度ならば銃弾の雨を抜けることもいとわない。


 ラドリオは戦争が嫌いだ、たった一度の従軍経験だが、あの衝撃は彼にそう思わせるに十分であった。 だからと言って武器を放棄したわけでも、戦わずして死にたいわけでもない。

 何より今は『仕事中』だ、生意気な少年が帰りを待っているし、迷子の少女も連れて帰らなければならない。


「……いいさ、あの戦場に比べればここは図書館みたいなもんだ。静かで穏やかで危険もない、ドラゴンもいないしな」

 けたたましい音でばら撒かれる銃弾と耳を劈くような音の高位魔法弾、とても静かとは言えない環境なのだが、ラドリオはそう言って笑う。

 確かに静かな物だろう、悲鳴と痛みと怨嗟の声が数十にも重なって聞こえる戦場よりは。 


「と、決心してみたはいいが……あいつ等上手い事ジェラートの弱点をついてやがるな」

 敵の周囲を旋回するように飛びながら、ラドリオは敵を観察する。


 試作型の攻撃面には致命的な弱点がある、攻撃できる範囲だ。

 あらゆる面で発明王トーラの趣味が詰め込まれたジェラートは武器も豊富に備わっている。

 がそれと同時に造形にもこだわっている、。

 その結果、ジェラートには側面を攻撃できるような武器が搭載されていない、飛行時のバランス三割速度三割見た目のカッコよさ四割の理由からだ。

 ジェラートは前方45度、および後方にしか攻撃することができないという弱点がある。

 それが分かっているのか、敵の弾幕はこジェラートが機首を自分たちの方に向けることを許さない。

 無理に突破しようとすれば、それを狙ったかのように本命の攻撃が飛んでくる。

「俺はこのままそっちの弾がきれるのを待ってもいいんだがね……なるべく早く嬢ちゃんを探しに行きたくある訳だ」

 余裕があるようにつぶやくラドリオだが、この間も激しい回避機動を取っている、ガリガリと自分の集中力が削られていくのをラドリオは感じていた。

いつもお読みいただきありがとうございます。

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