表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/91

76歩目「ラドリオ物語3」

 その一戦の後、ラドリオは故郷に帰ることになった。

 彼の処遇については上層部は大いにもめた、彼ほどの力を持った竜騎兵をどう扱えばいいのか分からなかったのである。

 ある者は勲章を与えて部隊長に任命しもっと戦わせるべきだと言った。

 ある者は彼を牢に捕らえて処罰するべきだと言った。

 またある者は、何かしらの恩賞を与えたのち放置するべきだと言った。


 彼の力は扱うには強力すぎたし、放置するには危険すぎたのだ。


 ラドリオ自身が、もう戦いたくなかったこともあり、多額の恩賞(名目上は名誉除隊の報奨)を与えて故郷に返すこととなったのだ。


 故郷に帰ってきたラドリオに対する評価は、失望半分無事に帰ってきたことに対する喜び半分といったところだった。

 故郷に帰ってきたラドリオは子供のドラゴンを育てる仕事につく。

 本来は、もう戦えなくなった老人や怪我人の職業ではあったが、ラドリオは歓迎された。

 そこの職員の殆どがラドリオが子供の頃からこの場所に入り浸っていたことを知っていたからである。

 ラドリオはすぐに優秀な職員となった。


 そして同じころ、戦争はようやく終戦となった。

 正確にはラドリオの一戦の後は殆ど終わっていたようなものだ、敵のドラゴンはその多くが死傷し、戦場に出なかったドラゴンもその惨状に恐怖し、戦場に出ることを嫌がった。

 では何故すぐに勝負がつかなかったのかといえば、味方のドラゴンたちも戦場に出ることを嫌がったのである。

 味方にあのようなドラゴン乗りがいたのだ、敵にいないとは限らないし、これから現れないという保証もない。ドラゴンたちはそう考えたのである。


 結果両軍は地上戦だけで雌雄を決さないといけないのだが、お互いドラゴンに多くを頼りきっていたこと、そしていつドラゴンが出てくるかの警戒が強かったため、勝負は遅々として進まず。

 結局痛み分けのような状態で終戦となったのだ。

 そして、戦後の話し合いで両国……いやドラゴンを駆るすべての国が、ドラゴンを今後戦争に使わないことを決めた。

 ドラゴンたちは、人類が近づけない絶海の孤島に移り住むことになり、人間たちは二度とドラゴンと接触しないことを後世に語り継ぐことになった。


 ラドリオは大いに悔いた、彼のせいで世界からドラゴンは消えることになった……少なくとも彼はそう考えたのだ。


 そしてドラゴンが消えたのと同じ頃、ラドリオも村から、そして世界から姿を消した。


 ラドリオはどこに行ったのか? ドラゴンたちと共に行ったと言う者もいれば、彼はドラゴンの化身だったと言う者もいる。


 実際の所、隠居生活を始めようと山奥に籠った所で英雄として召喚されただけであったが。

いつもお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ