66歩目「深夜の円卓会議」
円卓の中心にはどこかの地図のような大きな紙が広げられていた。
しかし紙に記されているのは地図や絵画ではなく、文字だ。
まるで手紙をテーブルに広げるほどに拡大したような感じだ。
「読むね「魂の魔女へ、同じ銃使いとしてお前に一対一の決闘を申し込む。一度目の戦いは貴様が引き、二度目の戦いは余計な横やりにより私が引いた、ならば今一度戦い雌雄を決するべきだろう。正々堂々と一対一の決着を―――」
「嘘だな」
「嘘よね普通に考えて」
手紙を読み上げる木乃美を遮って黄と闇が同時に否定する。
木乃美自身はそんな二人に苦笑しながら、手紙の続きを読む
「一対一の決着を望む、時刻は手紙を受け取った日の翌日の正午、十字谷の中央に一人で来ていただきたい。なお仲間にはこのことを告げないことをお勧めする。もし君が他の誰かと一緒に来た場合、我々に対する宣戦布告と見なし、小鬼の聖都へと一斉攻撃をすることになる」
「何がオススメするだ、こいつは脅迫だろう」
「しかもたちが悪い事にあたし達には事実確認できないと来ている」
「……二人とも最後まで聞いてね?」
二人が再び黙るのを確認した後、木乃美は手を横に振る。
すると円卓の上の紙は巨大な手で捲られたように二枚目に移った。
「既に戦闘用錬金馬車が、王国郊外に待機しており、何時でも攻撃は開始できる。なお時間を過ぎても魔女殿が現れない場合も同様に、聖都を攻撃させていただく」
「選択肢無し、対した小悪党だ」
「ねえ、あたしに譲りなさいよ此奴」
「馬鹿いえ、その足で何ができんだよ」
「……」
木乃美の非難するような目に二人はバツが悪そうに横を向く。
普段文句や反抗的態度を見せようとも、主人格が木乃美であることは間違いないのだ。
「友人たちについては心配いらない、行先を別の場所に書いたダミーの手紙を同封してある。ダミーの目印は手紙の角が赤いことだ……もし其方が勝利した場合はこれ以上追うことはない、こちらが勝利すれば王都に連行し然るべき裁きを受けていただく。繰り返すが時間は明日の正午、遅れることなきように」
「もう喋っていいよね? こちらが勝利すればって言ってもあたしらが死んでなければでしょうに」
「丁寧を装ってるが手紙を隅から殺気が匂ってきやがる」
手を振って手紙をたたむと、木乃美は二人を見つめる
「……だとしても私は行く。これが私が狙われているってことだから」
「俺としても、アイツとは決着をつけたい……罠だとしても食い破ればいいだけの話だ」
やる気の二人に対して、未だ足の傷がいえない闇は僅かにほほ笑んで目を閉じた。
「好きすればいいわ、主人格は黒で、因縁があるのは黄。あたしは死ななければいい」
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