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55歩目「趣味人の試作品」

 トーラが大金のかかった試作品を友人に譲渡してしまった時、国王を含め王国の上層部たちは激しく彼女を糾弾した。

 それに対してトーラは欠伸交じりにこう答えたそうだ。

「じゃあ、アレを乗りこなせるやつを連れてきなさいよ? 複数人でもいいわよ? その分何台でも作ってあげるから」


 この答えに糾弾者たちは誰も声を上げることができなかったそうだ。

 なぜならそこにいる全員が、その乗り物に乗ろうとしたことがあるものか、乗ろうとした者を見ていたものだったからだ。

 ある者ははるか空中から叩き落され地面の染みになり、ある者は試作品ごと壁に突っ込んで壁の染みになった。試作品はほぼ無傷だったが。

 その光景を見ただけでトラウマになった者もいる、実際に乗って数日間うなされた者もいた。


 その後トーラがダウングレード版の量産型を作ったことで、この件は不問となったそうだ。


 トーラが友人にそれを譲渡した時、酔った彼女はこう漏らしたそうだ。

「ぶっちゃけ、アレって乗れるわけがないんだよね? 私の持てる力をすべてつぎ込んだ乗り物を作ったらこうなりますってデモンストレーション。 まず浮かぶだけでバランスを取りながら12個位の数値をチェックしないといけないの。浮かぶだけでよ? 更に前に進むには10個位の計器を確認して、ほかの機能を使いたいなら手元の器具を細かく操作しないといけない。あ、ちなみにこの動作を『馬の数倍のスピードで走り続ける速度の中、玉乗りよりも難しいバランスを保ちながら』よ?」

 彼女の言ったことはすべて事実であり、これはバリーも知っていることだ。


 高スペック故に誰も乗りこなせない最強の欠陥錬金機械。

 最高の素材と最高の錬金術師の技術によって生まれたもの。

 ドラゴンのブレスにも耐える装甲。

 誰にも追いつけない速度。

 最速の竜と同等の速度。

 複数の兵器に、絶対にいらないような数々のオプション。


 機械馬への偽装、さらに普通の馬への追加偽装もこのオプションである。


 この試作品が完成した時、トーラは小さくこう漏らしたそうだ

「やってしまった……これを乗れるやつ人間じゃないわ、変態だわ」


 誰も乗れないから、精々面白インテリアにと友人に譲渡したのだが、その友人桃色の蜂蜜亭の主マハリは、物は試しにとラドリオにこれを与えてみたのだ。


「誰一人乗りこなせない化け物機械らしいけど、あんたはどうだい? 乗ってみるかい?」

 後々乗りこなしたものがいたと聞いてトーラは腰を抜かすほど驚いたそうだ。

「まさかあの変態機械を乗りこなす変態がいるとは思わなかった」と




いつもお読みいただきありがとうございます。

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