25歩目「六発目」
お互いに銃を突きつけ合いながら、ライオットは状況を分析する。
相手の持っている銃は弾倉が回転して次弾を装填する物、リボルバーだ。
だとするならば残弾は五発以下、なおかつ再装填にはそこそこの時間を有するはずだ。
「ここでお互い弾が尽きるまで撃ちあってもいいですけれど、先に弾が尽きるのはどちらでしょうね?」
「何を得意げになってやがるんだ? 俺とアンタじゃ弾数に差なんてないだろうが」
少女の言う通りライオットの持つ銃もリボルバーである。
彼女から見れば同じくこちらの弾数が五発以内なのは明白であり、優位性がないように見えるのは当然であろう。
しかしそれはライオットの持つ銃が唯の銃であればの話だ。
ライオットの持つ銃は、発明王トーラが生み出した錬金銃のうちの一つ、そして錬金銃が帝国産の銃と違うところは弾が無限であるということだ。
周囲の空気を銃弾に変換して撃ち出す錬金銃は、トーラ自慢の錬金術の秘術の一つである。
連射しすぎると周囲の魔力のバランスを損なうという欠点はあるが、弾がほぼ無限に打ち出せるというのは反則に近い。
その力を知っているからこそ、相手が未知の能力者であろうとライオットは平然としていられるのだ。
むしろそれを知らずに挑発してくる目の前の少女が哀れだとすら思える。
「じゃあ実際に撃って試してみましょうか!」
「はっ!」
先ほどは無力化のために脚を狙ったが今度は本気で、殺すつもりで額に向けて銃弾を発射するライオット。
正確無慈悲に飛んでいく五発の銃弾を、正確にはその銃弾の予測に重なる様に相手の銃口から予測が伸びた。
五発とも完全に彼女の弾に撃ち落とされる。
ライオットに最早驚きはない、むしろ余りの正確さに感心してしまうほどだ。
未だにどんな能力でこちらの弾を補足しているのかは分からないが、同種の能力ではないことは確かだ。
彼女の動きは此方よりほんのわずかに遅い。
予測して動いているのではない、明らかに反応してから動いている。
だからライオットは先ほど言ったのだ、大した反射神経だと。
「(しかしこれはどうでしょうか?)」
こちらの弾を弾いてご満悦な表情の少女に対して、遠慮なく六発目を叩き込む。
人間予期せぬことには反応が遅れる、そしてこの距離での反応の遅れは致命的だ。
ライオットには柘榴のようにはじけ飛ぶ少女の頭を予想していた。
「なにっ!?」
ライオットの驚愕の声と共に、彼の六発目の銃弾は弾かれる。
少女の銃から飛び出した、あり得ない筈の六発目の銃弾によって。
近く、二つの物語を一つにまとめるかもしれません。




