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21歩目「相性の問題」

 相手の銃の死角、射角の届かない真下に到着した闇がこちらを観察していると思しき物を睨みながらガトリングガンに手をかける。

 遠距離タイプの機械兵にも近接防御の手段はあるのだが、それが発動するよりも速く闇はガトリングガンを引き千切る。


「これ! 返すよ!」


 そのまま別の機械兵に対してガトリングガンを投擲する闇、それは投擲というよりも一種の砲弾のようなスピードで機械兵の横腹に叩き込まれ、動力系にダメージを受けたのかそのまま爆発炎上してしまう。


 さらに反対側のガトリングガンをもぎ取る闇の様子を確認した他の機械兵は一斉に撤退を始めた。

 元々プログラム上では、自分たちで対処できない敵性存在を確認した場合、または二機以上を存在を被った場合は撤退するように設定されていたため、それに伴う撤退だ。


 もちろんただ逃げる訳ではない、残った機械兵は一斉に闇に対して制圧射撃を開始する。

 当てるのではなく弾幕を張って相手を近づけないようにするのが狙いだ。

 近づかれたら負ける、狙っても当てることができない、ならば近づかれないことに全力を尽くす。

 たとえ機械兵たちは恐怖を覚えてもプログラムに忠実に動き闇を足止めする。


「うっとおしいなあ!」

 対して闇は攻撃手段を失った一台目の機械兵の陰に隠れることしかできない。

 彼女の武器は両手の短剣二本だけ、遠距離を攻撃できる手段がないのだ。

 その気になれば手持ちの武器を投げてダメージを与えることは出来るが、全力で投擲したとしても機械兵を一体倒せるかどうかすら怪しい。

 近づこうにも、機械兵の面の攻撃は彼女のスピードをもってしても全てを躱したり撃ち落としたりすることはできない。

 完全に相性が悪い、近づく手段さえあれば破壊はたやすいが近づく手段も遠距離から攻撃する手段もない。


 このまま行けば、帝国が多少ダメージを受けただけで痛み分けで終わるだろう。


 しかしここで機械兵達には幸運な、そして闇にとっては不幸な偶然が起きる。

 機械兵たちの銃弾はお互いの銃撃でダメージを受けない様に調整されている。

 これは相手を囲んで銃撃を打ち込んだり、視界の悪い中誤射した場合でもダメージを受けないようにするための処置だ。

 闇が盾にしている機械兵も同様に制圧射撃ではダメージを受けない筈だったのだが、運悪く闇が無理矢理はぎ取った破損部分から入った弾丸が動力部を損傷させた。


「え?!」


 闇が気づいてその場を離れようとした瞬間、機械兵が爆発する。


 機械兵たちはこれをチャンスと見て射撃を止めて、高速での撤退を始めた。


「おい! 大丈夫か!」

「いったいい! あいつ等今度会ったらぶっ壊してやる!」

 安全を確認しきるまでに近づいたマルスが見たのは、右足を大きく負傷しながら羅刹のごとき表情で悪態をつく闇の姿だった。

 近々、すべての文章を読みやすいように改修しようとかと思っております。

 内容は変わりませんが段落なんかを調節しようかと。

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