19歩目「銃弾の雨」
王国の英雄と帝国の機械兵の小競り合いの結果は殆ど三つしかない、圧勝か完敗か引き分けだ。稀に辛勝という展開もあるが、それは滅多に起こらない。それは機械兵と魔法使いの相性に原因があった。
まず魔法使いが高威力の魔法を持っていた場合、ほとんどが英雄の圧勝に終わる。前衛が恐ろしい銃攻撃を引き付けている間に高威力の魔法を叩き込めばいいだけだ。機械技術が主流の帝国の金属は魔法への耐性が低い、それでも最近は低位の魔法であれば耐えきれるほどには研究されてきているがそれでも行為の魔法には耐えられない。
また魔法使いが連続する銃弾を防ぎきれるほどの防御魔法を持っていた場合も英雄に軍配が上がる。機械兵の標準装備は銃と電気を帯びたロッドだ。銃の攻撃を防がれてしまうと近距離で戦わざる負えなくなるのだが、近接職の英雄相手では機動力でついて行けないのだ、近づかれたら最後叩き壊されて終わりである。
逆に魔法使いがいない場合や高位の攻撃、防御魔法を持っていない場合は機械兵が勝つ。弓より射程が長くそして人間業ではほぼ回避不能の銃弾の雨を前には魔法使い以外の英雄は無力なのだ。
そしてそういう英雄はできるだけ彼らとの邂逅を避ける、この場合は引き分けだ。偶に知恵と勇気とある程度の犠牲と多大なる偶然を持って魔法無しで勝ち星をもぎ取る場合もないことはない、これが稀に起こる辛勝だ。
では緑の場合はどうか、彼女の攻撃魔法は低位でこちらは既に相手の射程内にある。その結果は被を見るより明らかだった。
「言わんこっちゃない」
「みたい……だね、僕も流石にあれは無茶だと思う」
魔法に耐えきった機械兵の反撃によって緑はあっという間に血煙になった。この様子では前回以上に復活に時間がかかるかもしれない。代わりにはじき出されたのは近接型の赤だ。彼女の能力『軍神』は戦術眼を高める効果もある。先ほどの緑の行動が如何に無謀だったか良く分かっているのだろう。
「また変わった!?!?」
「後ろの馬鹿は無視しろ……どうするつもりだ?」
「僕の盾なら銃弾は防げる」
再び姿が分かったことに驚くラドリオを無視しながらマルスと赤は戦略をねる。確かに彼女の盾ならば攻撃を防ぐことは可能だろう。
「盾で防ぎながら近づいて―――」
「―――それが無理だってことは分かっているよな」
マルスはじっと赤を見つめる、戦術眼を持っている赤ならば分かるはずだ、小さな盾ではあの銃弾の雨を防ぎきることは不可能。必要なのは固さではない。
「必要なのは死ぬ物狂いの速さだ、そうだろう?」
色々と試行錯誤中、近々プロローグを付けたすかもです。




