プロローグ
初投稿です
誤字脱字は申し訳ありません
木々の葉の間から月の光がかすかに溢れる森の中、狼の群れが辺りを警戒しつつ怪我を負った仲間を庇いつつ巣に帰ろうとしていた。
そして、木々の開けた場所に来ると何処からともなく無数の矢が飛んでくる。一番後ろを警戒していた狼を射抜いたあと、先頭に居た一回り大きなリーダー格の狼が矢の飛んできた方向に向かって円形の魔方陣を作り、魔方陣から風の矢が3つ飛んでいく。
草むらを抜けた矢は、目標に命中することはなく飛んできた矢に当たり霧散する。
群れが睨みつけるその先には弓を番えた少年が居た。
少年は矢を矢筒に戻し弓を背中に戻すと腰から短剣を取り出し低く構えを取った。
「さあ、やろうか」
そう呟くと群れに駆け出していき群れと戦闘を始める群れのコンビネーションに怯むことなく一体ずつ確実に仕留めていき残るはリーダー格のみとなっていた。
「ワォォォォン」
突然リーダー格の狼が遠吠えをすると直後気が逆立ちだし威圧されるような感覚に陥るが、あまり気にした様子も無く短剣を戻して弓を構え、魔方陣を弓の前に展開する。
「夜を照らし敵を穿つ…ライトアロー」
魔方陣を通り放たれた矢に光の力が宿る。
狼も最初に放った風の矢よりも二回り大きな矢放ってくる。
お互いにほぼ同時に放ち、衝突、閃光
しかし、閃光の中でも互いに目を離さず次の一手を探っている先に仕掛けたのは狼
風を纏ったかのように素早さが先程とは格段にアップし一直線に対象に突っ込みその鋭い爪や牙で攻撃するのだろう。
だが、叶わなかった。
上空から一本の矢が狼の首から喉にかけてを貫通しその動きを止める。少年はつまらなそうに弓を下ろし短剣に持ち替えて完全に相手の息の根を止めた。
「いい戦いだったよ、またやろう」
少年はポリゴン化して砕け散っていく狼に対してそう言うと視界の端に出てきていた獲得経験値と獲得素材の画面に目を通しクエスト納品素材が手に入ったことを確認すると、森を抜けるため走り去って行った。