子宮頸がん検診は絶対必要!!女性だけでなく、男性の皆様にも読んでほしい
子宮――それは女性であれば誰もが持っているもの……そして、新たな命を授かるところ……。
「子供が欲しい」――そう考えている女性は多いと思うのです。現在、私は子共はおりませんが、欲しいと思っている一人です。
「子宮頸がん検診」というものをご存知でしょうか?
既にお子様を授かっていらっしゃる読者様や、ある程度年齢のいっている女性読者様はご存知の方も多いと思います。簡単に言えば、子宮にガンなどの異常が無いかを検査する事です。
詳しく説明をすると長くなってしまいますので、イメージがわかない読者様は申し訳ないのですが、ググって下さいませ。私が説明するよりも、余程分かりやすいはずです。
恐らく全国の市町村で実施されているとは思うのですが、ある年齢に達すると女性は「子宮頸がん検診の無料券」が送られてくるのです。強制ではないので、任意で病院へ行き検査してもらうわけです。
私が25歳くらいの頃だったと思います。
突然、無料券が届いたのです。
その時私は「あ、やりたいな」と思ったのです。めんどうだなぁなどとは思いませんでした。絶対やらなきゃ、検査しなくちゃ、そんな風に思ったんです。
けれど、すぐに重い腰は上がらず、無料券の期限ぎりぎりになってやっと近くの病院へと行き検査してもらいました。
その時は、「どうせ何もないだろうけど無料でできるし、”異常なし”の結果を聞けば、その後も安心だし……」と本当に軽い気持ちで受けたんです。
その病院は婦人科で有名な先生が院長をしているらしく、総合病院という事もありとても混雑していて、1時間半くらいは待った気がします。やっと自分の番が来て診察台に乗りました。
婦人科の診察台は、当然子宮やその周辺を診るわけですから足をめいっぱい開くわけです。その為、診察台もそれ用にしっかりと両足が開くような作りになっています。
初めての出来事に少し緊張気味でした。
何がこれから始まるのかもわかりませんでしたが、検査なので先生に身を任せるしかありません。
まず、子宮の入り口に器具のような物を入れられます。胸から向こうはカーテンで仕切られている為、どのような状態であるかはこちらからは確認できません。
突然の事で痛みを感じました。
子宮の内部が白黒でみえるモニターがあるのですが、それは先生も私からも見える場所に位置しており、先生はそちらのモニターを見ながら異常が無いかを検査していました。
「このまま何事もなく終わるんだろうなー」なんて思っていたんです。
なのに……
「ん……?」
先生からイヤ~な感じの一言が……。
それから説明されたのです。
私は「子宮」ではなく、「卵巣」に異常があった事を。
卵巣は左右に1つずつ、つまり2つあります。1つはクルミ程度の大きさなのだそうです。それが私の場合、一方だけが3倍ほどの大きさになってしまっていたのです!!
病名は「チョコレートのう腫」。先天的なものなのか、後天的なものなのか原因ははっきりしないそうです。
なぜ「チョコレート」などと美味しそうな名前なのか……。それは、卵巣にどろどろの血がたまってしまい肥大化してしまった事が原因で、それがチョコレートのような色だからという事です。
もしこれを放置していたら、いつか卵巣が捻じれてしまい、とんでもない激痛が襲っていたのだそうです!
考えるだけで悍ましい……。
とにかく私は、この子宮頸がん検診のおかげで、いつかやって来ていたであろう耐え難い苦痛を回避する事が出来たわけです。
なるべく早くにでも手術(厳密に言えば手術という程ではなく、”処置”という部類だったそうですが)を行わなければならないと言われたのです。
私からすれば「そんな、まさか~」でした。軽い気持ちで行った検査が、あれよあれよと言う間に手術などと言う大きな話になるとは夢にも思わず……。「検査」とは得てして、そういうものなのかもしれませんけれどね。
それから無事手術を終えた私は、女友達に会う度に子宮頸がん検診の大切さを力説するようになりました。
もしも、ですよ?あなたが「子供が欲しい、子供を産みたい」――そんな事を強く望んでいた時に、「実は子宮に異常がありました」「卵巣に異常がありました」なんて言われてしまったら、どれほどショックでしょうか……。実際、私が本当に妊娠する準備ができるようになると先生からお墨付きをもらうまで、手術から1年程度の時間を要しました。
ちなみに私が妊娠できるであろうタイムリミットは、あと数年です。チョコレートのう腫は、近年、ガン化する可能性があるという発表があったらしいのです。私は数年後、そのリスクを下げるため再び手術する事になると思います。
そんな悲しい事になってしまう前に検査に行きましょう!!
現に私は、この検査によって救われた一人なのです。
そして、これは女性だけの問題ではないと思うのです。
男性の読者様、あなたの奥様や彼女さんが子宮の病気に侵されてしまっていたら……?子供が欲しいと願っていた時、病気が見つかってしまったら……?
最も辛い思いをするのは、奥様や彼女さんたちなのです。ぜひ、女性特有の病気に対するご理解も深めて頂きたいと思うのです。
ただ、こんなエッセイを書き記しておいて何なのですが、あまり深刻には捉えてしまわないで下さいませ。本当に軽い気持ちで検査して下さい。私のような例は、本当に稀なケースです。私の友人たちは、ほとんど子宝に恵まれていますし幸せな家庭を築いています。
ですが、今すぐにでも、また将来的にでも「子供が欲しい」と望んでいる読者様たちに、少しでも私のようなケースがあるという事をお伝えしたかったのでエッセイとして書き記しました。
僅かでも、考えるキッカケとなれば本望です。
本来は「好きな事や興味のある事、これまでの珍事件等を徒然と……」の方へ連載として載せようと思ったのですが、書いていくうちに多くの方の目に触れてほしいと思い短編にしました。
次回は連載の方に戻り、この手術中に麻酔が切れた話でも書きましょうか(笑)