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新世紀の殉教者

母なる愛

作者: keisei1

「母なる愛」 


祝福を

キングは偽りの仮面を脱いだ

彼は死の床で今際の言葉を残す

人々が勝手気ままに口にする、夢と願望を目にしながら

「地球は病んでいる」と


今さら社会に健康体を求めても

遅すぎる話

なぜって彼らは腐敗した幻影を追っているから


死の言霊と音楽

奢侈の限りを尽くした特急が

地球の隅々まで走り抜ける


生と死の意味も分からぬままに

ロックスターはこめかみに銃をあてる

彼らの命は余りに安く、軽い、浮薄な商品の一つだ


そう。今は母なる愛を忘れた時代なんだ


何かが僕らに出来るだろうか

愛情の泉の湧き出る音楽を聴きながら

僕は数々の問いに答えを出す


一つ一つ問題が解決されていき、

朝方の四時に僕が気づいたのは

そう。「僕は君に恋している」ということだけ

それだけが確かな手応えの本当のこと


キングの二面性は社会の利益に貢献したって話

だが彼は臨終の言葉を書き記しながら

涙を流し、悔いてる

「世界は病んでいる」と。


今さら社会にシンプルライフを送れと言っても無駄な話

なぜって彼らは狂人を演じるのに喜びを見出してるから


死の皮肉と情報番組

贅沢の限りを尽くした特急が

地球の隅々まで駆け抜けていく


愛と友情を歌ったはずの

ロックスターが腕にヘロインの注射器を刺す

彼らを笑い者にする社会全体も最早クレイジーだ


そう。今は母なる愛を忘れた時代なんだ


何かが僕らに出来るだろうか

一晩中原稿に向き合いながら

僕は数多の問題に光を見出していく


一つ一つ問題が僕から遠のいていき、

朝方の四時に僕が気づいたのは

そう。「僕は君に恋をしている」ということ

それだけが確かな手応え


時計の針が十二時をさす頃には

騒動は終わっているかもしれない

地球の最後でも見ているかもしれないね

そもそも僕達がそこまで生きているかどうかも分からない


でもただこれだけは今たしかに君に言えること

この荒廃した世界で

草原が燃やし尽くされ

花々が摘み取られていく世界で


これだけは言える

「僕は君に恋をしている」と


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