変なラーメン屋と普通の美少女
変なオッサンがメインの小説です。
栄子は女子高校生だった。誰もが見惚れる美貌を持つ以外、何処にでもいるような少女であった。
彼女は、休日の昼時、家の近くにある『いい匂い』という風変わりな名のラーメン屋に行くことにした。
なぜだか分からないが、無性にラーメンが食べたくなったのだ。
近場にあるにもかかわらず、一度も行ったことがない店だ。少しだけ緊張する。
栄子は、店に入る。昼時なのに客が一人もいない。これは、なんだか嫌な予感がした。
それと、特筆すべき点がもう一つあった。私が通う高校の校歌が店内で流れていたのだ。
まずいのだろうか?この時間に客がいないなんて。それに、店主らしき中年の男が睨んでいるような気がする。でも、お腹が空いた。胃はラーメンを食べたがっている。もう仕方がない、席に座り、塩ラーメンを頼むことにしよう。
五分後、ラーメン到着、まずそうなラーメンだ。
麺を食べてみる。まずっ!スープを飲む。ありえない!そして、睨み付けてくる店主、残すと、なんか
怒りそうだから麺だけでも、全部食べよう。
我慢しながら、ラーメンをすすっている最中にも、眉を寄せ、店主がじろじろ見てきた。
そして、事件は起きる店主がとんでもなく奇妙なセリフを吐いたのだ。
「足と息、くせぇんだよ!!」
栄子は、耳を疑った。
自然に「え?」という一文字が口から飛び出た。
そうしたら、店主が、凄まじい勢いで、泣き出して「すまない。すまない。本当にすまない。本当はもっと、本当は。あぁ、香織、なぜだ、香織……。あぁ!もういい!金はいいから出て行ってくれ!!」と、栄子に退場を求めた。
栄子は、面倒事は嫌いなので「し、失礼します」と足早に店を後にした。
その羞恥的体験から、一週間後、所用で『いい匂い』を通り過ぎたが、もう閉店していた。
なぜか、栄子は歩きながら、今まで自分に告白してきた男子の事を思い出していた。