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 目覚まし時計の甲高い音が脳内を突き抜ける。

「…ん」

時計の針はとっくに正午を過ぎている。目をこすりごろんと体制を変えるとどんよりとこもり濁った空気が肌にまとわりついた。

「…かあさん?」

返事はない。耳を澄ますが 物音ひとつしないので、俺は気だるそうに身体を起こした。

頭がガンガンする。寝すぎたせいか、変に瞼が重い。

ぼさぼさの髪を直しもせず、脱ぎ捨てたままの制服を乱暴に掴み、俺は着替えを始めた。


 現在中学2年の俺が今からこんな生活でいいのだろうかと少し不安に思うこともあるが、そんな気持ちは何分も立たないうちに消える。

家から5分も経たない場所に学校があり、自分の部屋からは学校から鳴り響くチャイムの音だって聞こえる。

俺は下駄箱に無造作に靴を投げ込み、自分のクラスへと向かった。



「おはよ~!今日もずいぶん登校が遅いんだねぇ?」

にやついたクラスのやつらが声をかけてくる。

教室の前には、いくつかのグループが溜まっていた。正直俺は仲のいいやつらで集まってグループになって行動を共にするのは好きじゃない。

もちろん、そいつらも。

俺はそいつらを無視して自分の席に着いた。


「かっこつけちゃって!気持ち悪う~!」

教科書で頭を叩かれたがなんとも思わなかった。これが俺の日常なのだ。毎日寝るのは日が昇ってから、学校に登校するのは正午を過ぎてから。

睡眠時間も数時間だけ。いつの間にか俺の生活リズムはグチャグチャに崩れていた。


理由は簡単。

今のクラスに馴染めないことが、無意識のうちにストレスとなり 精神的にダメージを感じるようになっていたからだ。

最初は俺も、友達と仲良くなろうと努力をした。しかし、今ではそれも面倒になり一人で行動する方が楽だと思い始めた。


面倒なのだ。なにもかも


(一人じゃ何もできない奴らとは違うんだ)


今すぐ教室から出ていきたい気持ちを抑えて、俺は教科書を机の中にしまった。

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