BASUKEッ子×二人×同じ名前
ミーンミーン
蝉の鳴く季節・・・それは夏
ダムッダムッダムッ
「先輩!急がないと遅刻しますよ。」
「いけね!ボールついてる暇ねぇや。」
ダッダッダッダッダッダッダッダッガチャン!
「ふー間にッ合いましたねッ、先輩。」
「あー。はーはーはー」
この二人は家が真向かい同士の中学1年と中学2年のバスケ部。
去年は名前も知らないただの赤の他人だった。
しかし、今年からは違う信頼しあえる仲間、いわゆるチームメイトである。
「攻斗はまた遅刻か?」
「じゃねーし、あと1分あるよ。」
俺の名前は品川攻斗〔しながわ しゅうと〕自称マイケルジョーダン2世
さっきの後輩は雨沢守斗〔あめざわ しゅうと〕俺の名前をパクッテいる奴だ。
名前が同じだから二人にコートネームが与えられた俺はアタックン、あいつは、ブロッケンだ。
は~ジョーダンⅡ世がよかった。
「うるさい、早くバッシュを履け。」
3年生のキャプテンだ。
「は~い」
「よ~し、全員揃ったな、ランニングから入るぞ。声出してけよ。」
「はいっ!!」
俺達はこの街の中学校24校のうち20本の指に入らないほど弱い、この間の大会では、22位だった。
今日は7時半から、12じ半まで練習そのあと2時間ほど昼食タイムがあり20位のチームと練習試合だ。
だからキャプテンは張り切っている。
「よ~し、アップするぞ。1年は2年か3年のどっちかと二人ひと組で組めよ!まずは1歩ずつドリブルしれよ、2,3年は腰落とせよ!」
「はいっ!」
「つぎ1対1バージョンだぞ。1年は抜けると思ったら抜いてけよ。2年と3年の抜かれた奴は1年とベンチ交代だからな。」
ダムダムダムダム
「よ~しあと少しで山河丘中が来るぞ。だからメンバー発表するぞ。」
4番 三井孝明 3年生でキャプテン身長は162㎝ミドルシュートを得意とする。SF。
5番 岡田安滝 3年生で副キャプで身長は167㎝視野が異常に広い。PG。
6番 山西賢治 3年生で身長は151㎝ミスマッチの逆利用を得意とする。SG。
7番 澤田貫太 3年生で身長は174㎝この中学校のバスケ部1の身長である。PF。
8番 山西賢十 2年生で賢治の弟。身長は147㎝。SG。
9番 一二三章 3年生で身長は169㎝で体がとてもゴツイ。C。
10番 斎藤悠里 2年生で身長は158㎝で3Pを得意とする。SG。
11番 原西闘冴 2年生で身長は164㎝で手を伸ばした時のスパンが180近くある。PF。
12番 品川攻斗 2年生で身長は157㎝で3Pラインから内側を得意とする。SG。
13番 大水藍人 1年生で身長は149㎝で1年のエース。SF。
14番 沖良介 2年生で身長は159㎝でハンドリングがハンパない、しかし8秒が多い。PG。
15番 佐原栄時 1年生で身長は171㎝で1年生の中で2番目に高い。PF。
16番 永見建志 1年生で身長は173㎝で1年生で1番身長がでかい。C。
17番 雨沢守斗 1年生で身長は147㎝でキャプテンと言われている。SG。
18番 矢崎悠 1年生で身長は137㎝でバスケ部1小さい。攻撃型PGと言われている。PG。
「よ~し来たぞ!」
「よろしくおねがいします」
挨拶をおえ、両チームともにユニフォームに着替え戦闘態勢に入る。しかし、気合いの入っていたはずの山河丘中のキャプテンはある違和感があった。それは・・・選手みんなが勝つ気でいることだ。
このチームの心がけは『負けない気』でいろ。だからである。だが、キャプテンはあえて言わなかったのである。なぜなら、自分たちできづいてほしかったのである。
「よしスターター発表するぞ!」
4番孝明、5番安滝、7番貫太、9番章、10番悠里。
「カン、カン、ジャンプボールは周りを見れよ。」
「はい。」
このチームは当たり前の事を会話するほど弱いのである。
ピーー。
バンッ
最初に“獲った”のは山河丘中であった。
相手は4番村上、5番中井、6番児島、7番田村、18番五百重
18番の五百重は1年生なのにスタメンで入っているのである。それは彼が小学校時代は、ストリートバスケを4年間やっていたからである。
「一本確実にいきましょう。」
PGはやはり五百重である。しかしドリブルが奇妙である。高く上げて1回つき、低い位置で2回つき、
また、高い位置に上げて1回つき、低い位置で2回つく事を繰り返し繰り返しやりながら攻めてくるのである。そのためスティールしにくいのである。
「あ、あのボール簡単に取れますよ」
「え、」
皆が守斗のところを向き目をクリクリさせながら聞く。
「彼が高く上げた時に彼のふところに飛び込むんです。そしたら1度はスティールする事が出来ます。」
「どうして1度なんだ?」
「彼のドリブルからして盗んだものだと考えられます。」
「ぬ、盗む?」
「はい、相手の技を使うことです。なぜなら、高さがバラバラなんです。それに相手の技を盗むことができると言う事は相手の技を“見抜く”事も出来ると言う事です。」
「よ~しそういうことか・・よし俺たちの出番だな。な、監督さん。」
「ディフェンス、もっと腰落とせ。・・・おまえは2クォーターからだ。」
「チェッ、早く出てー」
「それじゃ、3番使いましょう。」
「3ば~ん」
「おい、章ついてくな!アイソレーションだ!スウィッチしろ!」
「え、・・・皆が遠くに・・いる」
「しっかりしろ章!」
「ごめん」
「たくっ、一本確実にいこ・・」
パンッ
スルッ
「おい、見たか、五百重がスティールと同時にダブルクラッチしやがった・・」
「ちくしょ、おい1年出る準備しろ、藍人、栄時、建志、守斗、悠、行け」
「悠、あいつらにドリブルで攻めるのは無理に近い、だから、まず守斗にパスして俺に回させろ。そっから、栄時か建志にパスするか狙うか、お前らにパスするかかんがえるから」
「それより藍人がはこべば?」
「だから、ドリブルが使えないんだよ。」
「メンバーがあれでも。」
山河丘中もメンバーを変えてきた。
13番流星14番冠龍15番沰弥16番新輝17番隆
双方1年メンバーだ、しかし、山河丘中は18番の五百重をさげた。
まだ8点差なのに1年を出すという事は、それなりの自信があるのだろうと思える。
両方ともに点を重ね5点差に詰め、栄時がリング下で決め、残り7秒で3点差、守斗がボール出しをする選手のボールをスティールし、藍人にパスして、3点を打った、負けるのが怖かったのか、新輝がファールしてしまった、藍人が放ったボールはきれいな弧をえがき、ネットに吸い込まれた。22対22で同点の残り4,3秒で藍人のフリースロー、会場は静まり帰っていて、物音ひとつしない状況。このフリースローは技術よりもメンタルが必要になる。藍人が放ったボールが板に跳ね返りリングに当たり出てきそうになっている。しかしリングの中にはいった。ここで山河丘中のメンバーチェンジである。新輝と五百重が交代である。ここで五百重に決められるのはいたい。守斗はすぐにマッチアップを変えればよかったが一足遅く五百重がブザービートでレイアップを決めた。これで1クォーターは23対24で詰めた。
「よし、2クォーターは、4番孝明、11番闘冴、12番攻斗、13番藍人、16番建志、」
「よ~し、このマイケル・ジョーダンⅡ世がぶっ潰してやる。」
「アタックン、おまえにこのクォーターをまかせる。」
「ほ、本当すかっキャプテン。」
孝明はうなずいた。
「よっしゃ~ブチかますか。」
2クォーターで点差はどう変わるのか?
キャプテンはどうして攻斗に託したのか?