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現代社会のモンスターショップ奮闘記 ~そちらのお店から仕入れたスライム、服を溶かしてくれないんだけど、どういうこと!?~  作者: 田島ユタカ
第三章 夢見るサキュバス

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夢見るサキュバス その6

 アムさんはうつむいてしまった。

 だが、ここで甘い顔をしてはならない。

 どれだけ良心を痛めても、お金の話はキチンと決めないと、後でもっと痛い目を見るからな。


 大体、異世界人関連の問題解決が1万円なんて破格もいいところ。


 サミィには後できつく言い聞かせておくとして、ひとまず話だけでも聞いてみよう。


「わかりました。お金ならありますので――」


 横顔から覗かせる深刻そうな顔を見るに、おふざけではないようだ。


「ありがとうございます。では、要件をお聞かせください。報酬は、そのあとでお話しましょう」


「はい」


 アムさんは背筋をピシっと伸ばし、真剣な表情を浮かべた。


 視線は俺ともサミィとも交わらないけど。

 そして、アムさんは両の拳がわなわなと震わせると同時に口を開いた。


「……者達を……ください……」


「すみません。よく聞こえなかったので、もう一度お願いします」


「バーチャル配信者達を……殲滅してください!」


「殲滅って穏やかじゃないですね」


「あいつらのせいで、私は若くて青臭い精気を摂取できないんです!」


 安請け合いしなきゃよかった。

 弁護士事務所は初回相談料無料とかあるから、話を聞くだけならタダでいいかなと思ったら甘すぎた。


 いきなり特定ジャンルの動画配信者を皆殺し、とか物騒にもほどがある。


 そりゃあ河原町の貧困街周辺には警察はいないけど、一歩でも外に出たなら話は別。


 ここはあくまで日本の領土。

 法治国家で事件を起こして無事で済むはずがない。


「……あの……バーチャル配信者の殲滅とサキュバスの生活事情がどのように絡むんですか?」


「天城さんは異世界……私たちの世界マニアとお伺いしてますが――」


「人の夢の中に入って、精気を奪って生きてるのは知ってるけど」


「はい。それで私は、若くて青臭い精気を求めて、こちらの世界に参りました」


「はぁ……それなら動画配信がない故郷に戻れば良いのでは?」


「それじゃあダメなんです! 私たちの世界の人間は、こちらの世界の人間と違って早熟なんです! 若年結婚が多いんです! 若くて青臭くて性欲を持て余した人間が少ないんです! その上、平和になったせいで同族(ライバル)は増加の一途。私たちの世界では、若い男を巡って同族同士の争いが絶えないのです」


 はあ……平和な世界の魔族達って大変なんだなぁ。


 サキュバスにも、ミカヅキみたいな知力にパラメータを割り振った個体がいたらいいのに。


「私は同族同士の争いに耐えられなくて、新天地を求めてこちらの世界にやってきました」


「大変でしたねぇ」


「こちらの世界なら、同族はいない。つまり若い男が選り取り見取り! あんな子やこんな子に~、手取り足取り真夜中の性教育を実践する日々を夢見てました」


「夢、見れたんだ……人の夢に入るくせに」


「しかし! どこの世界にも陽キャ、リア充がつきまとうもの。そこで非モテ陰キャ共で妥協することにしました!」


 精気に餓えてるのに、選り好みする余裕はあるのかよ。


 後、サミィから物言いたげな視線を感じるが、アムさんの会話が止まらないので無視だ。


「が! ……そいつらもダメでした。あの忌々しいバーチャル配信者共のせいで!」

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