26_万年筆が好きです。
多くの方にとって万年筆は、たぶんそんなに身近ではない文房具なのではないでしょうか。私にとってもそうでした。正直、周囲に万年筆を使っている人なんて一人もいませんでしたし。
最初に万年筆を試してみようと思ったのは、PILOTから1000円の万年筆「カクノ」がリリースされたときでした。行きつけだった文具屋で安価な万年筆を目にし、どんなもんかなと買ってみたのです。
カクノの発売が2013年だったようですから、となると私が万年筆を使い始めてからすでに13年も経過していることになりますね。
◇ どんなところが気に入ったのか
一番気に入っているのは、万年筆が極めて筆圧がいらない筆記用具であるという点ですね。万年筆は金属のペン先に毛細管現象でインクが浸透しており、それが紙にインクを落とす構造になっています。そのためペン先が紙の上に触れるだけでよく、とても滑らかに筆記できるのです。
ボールペンも近年はなめらかに書けるものが増えてきました。それでも構造上、ボールを転がさなければ筆記できないため、ある程度書くのに筆圧が必要です。
鉛筆やシャーペンは紙で黒鉛を削ることで筆記しますから、これもやはりそれなりの筆圧がいります。
身近なものでもっとも筆圧がいらないのはサインペンだと思いますが、サインペンのペン先がざらざらしているのに対し、金属のペン先を持つ万年筆はたいへんなめらかで摩擦が少ないのです。
万年筆の実用上の最大の強み、それはその構造に由来する滑らかな筆記感にあります。
これに関して言えば、並ぶ筆記用具はないと言って良いでしょう。
◇ いろいろなインクがある
万年筆のインクは、ボールペンのようにカートリッジ交換式が一般的です。ですが、専用の部品を使うことで、昔ながらのインク瓶からの吸入もできます(コンバーターと言います)。
私は気に入った色のインク瓶をいくつか買って使っています。インクを一瓶買うと、毎日筆記する私ですら平気で年単位持ちますから、それなりに経済的だったりします。
もっとも、経済的かどうかより、インクの個性を楽しめるのが魅力だと言えるでしょう。
あと、インク交換ってなんだか楽しいんです。こればかりは、趣味性があるとしか言えません。
◇ 最後に、おすすめの万年筆を
PILOTから出ている「ライティブ」というモデルがおすすめです。価格は3000円しないくらい。筆記用具としては高く感じますが、十分価値はあると思っています。
万年筆の書きごこちだけ知りたいのであれば、より安価なモデルとして同じくPILOTの「カクノ」が良いでしょう。見た目も可愛らしいですし。
カクノに対してライティブが優れているのは、まずクリップがあることですね。手帳などにはさんで持ち歩くならクリップはついているに越したことはありません。また、ライティブのペンキャップはたいへん機密性が高く、一週間ほど放置しても問題なく書き始められます。
ああ、言い忘れていましたが、万年筆の弱点はインクが乾燥しやすいことです。毛細管現象でインクを浸透させていると言いましたが、それが乾いてしまうとペン先に水分が必要になってしまいます。ライティブはその心配をほとんどしなくてすむわけです。
デジタル全盛期の今ですが、アナログでしか書けないものは確かにあると考えています。私はプロットの初期案はすべてアナログで書くようにしています。そのお供が万年筆です。
良いものですよ。




