19_人間VS人間。Dancing☆Starプリキュアを見ました。
みなさんは『Dancing☆Starプリキュア』をご存知でしょうか。
プリキュアシリーズ初の舞台版プリキュアシリーズにして、シリーズ初の男性メンバーオンリーのプリキュア作品です。
3作品目までありまして、今回全作品アーカイブ映像にて視聴しました。
◇ ネタバレなし感想
すごい。
まず演出。2.5次元舞台というのですか? 漫画やアニメを題材にしたミュージカル劇……このジャンルを見るのははじめてだったのですが(テニミュとかの存在は知っていましたが、縁がなかったもので)、光と音、そしてダンスの演出に驚かされました。
プロジェクションマッピング技術で映像が舞台上に投影されるわけです。舞台なのにテレビの特撮を見ているかのような。そこに演者のキレのあるダンスと殺陣が合わさると、舞台を見ていることを忘れてしまうほど没入感があるんです。驚きました。
とにかくテンポが良い。
なんと最初の10分間で、主人公の人となりの紹介から初変身・初戦闘まで一気に進みます。2.5次元になじみのない私のような観客にとって、正直はじめてみる舞台は不安があったわけです……。その不安は最初の10分で杞憂だったと思い知らされました。ダンスにせよ会話にせよ、小気味よいペースで進んでいくので大変おもしろい。
各公演は2時間30分ほどなのですが、まったく飽きませんでした。
話が良い……!
一番語りたいのはここです。もっとも、ネタバレなしで語れることはそう多くはないのですが。
ただ、どんな話なのかわからないと視聴しずらいというのはあるかと思います。私がそうでした。男子プリキュア舞台のことはもちろん数年前から知ってはいましたが、どんな内容なのかイメージがつかず、これまでふれてきませんでした(舞台ということで、視聴手段が限られるのもありましたが)。
なので、私が思ったこの話の推しポイントを。
希望をかかげる者VS絶望に堕ちてしまった者
人間VS人間が色濃く押し出されている作品です。
男子5人組のヒーローで全員素面の作品って、少なくとも日本ではそう多くはないと思います(アメコミとかはまたちょっと事情違うと思いますが)。プリキュアなので、変身後も表情がある。これがすごく、今作のテーマ性に合致していたと思います。
敵には敵なりの戦う動機があって、プリキュアにもプリキュアとして戦いたい理由がある。そういった感情をぶつけあって戦う構図が、たいへん私好みでした。
3作を通して、人の心にある弱さ・どうしようもない世界の理不尽を『存在してしまうもの』として書きながら、それを乗り越えてもいけるはずだと言う願いもまた書いている。
すごい好きな世界観でした。
ここからはネタバレ込み感想です。
◇ ネタバレありの感想
キャラがとにかく良かった!
今シリーズは敵も味方も、希望と絶望両方をかかえている。
生身の俳優から放たれる演技だと言うのも相まって、それぞれのキャラクターにとにかく惹きつけられてしまいました。
私の推しキャラについて語りたいと思います。
室井 一帆
「ナンセーーーンス!!」
どう見ても怪しい男。英語混じりに話すやたらと熱いダンス部顧問。その正体は……! 案の定敵組織の幹部なのですが、まあ濃かったですね、この人は。
周囲に裏切られ、夢を絶たれてしまったことで闇堕ちしてしまった彼ですが、闇堕ちしてもなお、ある種の生真面目さを発揮する男でもありました。絶望すら糧にしてしまった大人は本当に強い。
そして3で出てきた時の頼もしさたるや!
パドドゥ
妖精。なんだけど、正直あまり妖精っぽくはない男。
と思っていたら、本当に根っからの妖精でもなかった男。
プリキュアの妖精を疑うという発想がまずなかったので、1作目ラストで暗躍が発覚した時はそれはもう驚きました……。
たったひとりのために、世界のすべてを敵に回す覚悟を秘めた男。正義か悪かで言えば間違いなく悪側のキャラクターなんだけど、深い愛情も持ち合わせている。刺さる……。
闇の王
プリキュアシリーズのラスボスで、正直一番勝てる気がしないと思ったキャラクター。
何が恐ろしいって、100%善意(彼なりの)だけで行動しているんですよね。本当に他者を救うこと、そのために自身の身を投げ打つことしか考えていない。だから本当に強いし、最後の最後になっても格落ちしないのです……。演技から溢れる威厳もすごかったですね。ダンスも。何もかも強い。
「希望では救えない者に、我は寄り添わなくてはいけない(うろ覚え)」みたいなセリフが飛び出してくるのですが、本当に優しい存在でした……。
なんだか悪役の話ばかりになってしまいましたが、基本的に悪役の方が好きなのでそこは勘弁していただきたい。主役側の話を語り始めると、文章がこの倍ではすまなくなるので今日はいったんこのあたりで。




