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Noble Bright  作者: 桜惡夢
8/10

王国


 何だかんだ言ってても俺は男なんだと実感する。妻達が順調に妊娠しているし、誰ともしない日とか一日も無い。エル達と結婚してから一日もだ。

 自分で驚く絶倫さであり、普通の何倍もの仕事を熟してもいるのだから……妻が増える訳だ。

 気付けば一般女性の妻の合計が百人を越えていて頭が可笑しくなりそうになる。

 【鑑識】や【並列考動】の御陰で平気だけど。

 他の男性なら潰れていると思う。……他の男性はこんなにも妻が増えない? 俺だから?

 ……素直に喜べないのが正直な気持ちです。


 ──といった感じで月日は過ぎていった。


 冬の終わりが、この世界での一年の終わり。

 三日間の祝祭日が年末となり、一年分の大掃除や御祓い・厄落としといった様な感じの事を行う。


 新興貴族で、新婚家庭の我が家は逆に運や成功に肖りたいという貴族や領民(・・)が集まってくる。


 王都に有った屋敷を移転させた先は未開地なので俺の領地ではあったんだけど、領民は居なかった。妻達以外は雇用している使用人達だけだったから。だけど、農業や畜産業を始め、他にもエルが色々と事業化した事が有り、従業員が増え、領民に。


 給料を払って、徴税する。

 二度手間だから天引きする形にしたら、そういう遣り方は無かったらしく、財務担当の妻達や職員、領民からも手続きが減って喜ばれた。

 勿論、きちんとした制度化もしたし、王国内では想像以上の速度で普及・浸透し、馴染んだ。

 妻達から実家や親戚に話が伝わったからだ。


 結果、更に妻が増えた。歳上ではなく、歳下が。婚約なら兎も角、結婚は流石に遣り過ぎなのでは? そう抵抗はしたが、王国法では王公貴族は十二歳になっていれば結婚が認められる。

 神々も誓いを認めているから何も言えない。

 この件で改めて勉強しようと思った。


 年末という事で学園も卒業式を終えた。本当なら俺達も一緒に居る筈なんだけど……何故、来賓席に俺は座っていたのだろうか。


 その学園関連では、例の特別育成者の試験結果が一つの話題となった。

 アルサイスとエドマースは含まれてはいないが、俺達が意図的に弾いた訳ではない。単に実力不足。学園側が行った事前試験で落ちており、試験資格を得られなかったから試験を受けてもいない。試験を受けられたのは五十名。合格者二十名を決める上で一定基準を予め決めていた為、定員数を割ったが、これは将来的に上回った時に切り捨てない為。

 尤も、五年後には基準の見直しを行う予定だし、その五年後にも行う。五年毎に見直す事で上げるか維持かを決める。決して下げはしない。上げる事で人材育成としての質も向上させる為だからだ。

 だから、陛下達からも理解と同意の下に、承認を得ている。俺の独断ではない。此処が重要。


 合格者十七名は来年、一年間、俺達が指導する。既に専用寮も用意してある。

 出来れば、その中から三~四人、後々の指導役をスカウトして置きたい。優先権の許可は得ている。後は本人達次第。我が領の魅力を伝えて定住意欲を掻き立てようと思う。


 学園繋がりで言うと、歳下の妻達は俺達が学園の代わりに教育したのだけど……魔改造になった。

 洗礼って実は十二歳から受けられるという事実。だから結婚も認められている訳だ。納得。学園という教育施設が有ったから十四歳だっただけなんだ。

 うん、試験の合格者より強い。表には出せないが既に気付かれてはいると思う。

 十一歳以下の次の妻候補者の選抜をエル達が日常会話としてしているから。もう十分ですが?


 そんな無力な視線を「届けっ!」と願いながら、年越しの用意をする。領主として領民も参加出来る新年を開催するから、その準備。餅搗きをしようと思うからな。




 年が明け、最初の月の十日には王都で王公貴族の新年会──顔合わせが行われるのだが、その中心は俺の最初の子供達となった。


 新年を迎えた朝、エルが産気付き、夜明けと共に俺の長男となる最初の子供が誕生した。それからの三日間でニーナ達、最初の六人全員が出産した。

 ミルフィ達は今月末から来月の頭が予定日。他の歳上の妻達も次々と出産していく事になる。

 ははっ、大家族じゃなくて超家族だな。


 孫を抱く陛下達の顔がデレデレだったけど、初孫という訳ではなかった筈。孫は何人目でも可愛い? そういうものなんだ。

 俺の両親もデレデレしていた。

 ……俺の場合、どれだけ孫が出来るのか。


 何しろ、出産したばかりなのにエル達が激しい。魔法や奇跡という力が有るから、一般人に比べても回復が圧倒的に早いからだけど……流石に二人目は半年後にしない? 一人目が三歳になる頃から教育というのは忙しくなるから、それまでは毎年産む? 赤ん坊の時は世話は任せられるからと。成る程。判ったから家に帰るまで待とう? エルの実家では有るけど、流石に王城では不敬だから。

 子供達を餌にして(任せて)会場から離れたのは、その為だったのか。結局は押し負けたが。

 だって、久し振りのエル達が魅力的過ぎるから。男って愛する女からの誘惑には抗えないよね~。




 時間が過ぎるのは早い。

 試験に合格した元は同期の男女を指導しながら、領主の仕事を熟し、夫として励む。沢山励む。

 我が子達が癒しです。


 エル達は全員が息子を産んだ。ミルフィ達は逆に五人全員が娘を産んだ。何方等も可愛い。

 しかし、よくよく考えると半年後には巨大保育所みたいな家庭になると思うと凄いと思う。

 まあ、妻の数が多いから、子供の世話も皆で遣るというスタンスになっているけど。異文化だな~。


 そんな風に家族団欒の穏やか日常を、以前立った糞フラグが台無しにしてくれた。

 そう。他国からの侵略だ。

 俺の領地は国境近くだが、元は未開地だった為、直接は隣国とは接していない。両隣の領地が、各々別の国と接していて、その両方が同時に侵攻した。協調している事は明らかだ。


 他国がノーブルディネス王国と戦争しようと思う事自体は別に可笑しな事ではない。

 一つはクラスという神々からの恩恵の有無。

 初代国王が神々に認められた訳だが、他の人物も頑張っていた事は確か。しかし、何も得られずに、世界の歴史にも名を残せなかった。嫉妬と逆恨み。それが王国と他国との関係の全てを現している。


 更にはダンジョンの存在。ダンジョンは何処にも存在はしているが、他国のダンジョンとは異なる。ダンジョンがモンスターを生む事は無く、得られる資源や装備品・魔道具等は無い。濃いマナ溜まり。マナを扱えない他国の者では侵食を防ぐ術は無いが侵食速度は極めて緩やか。十年で1メートルの拡大といった所だ。

 だから、軽視していたし、王国との関係改善には力を入れていなかった。大昔は侵略しようと戦争を仕掛けては返り討ちに合っていたから、戦争は止め関わる事も止めてから久しい。

 しかし、ダンジョンという無限の資源が欲しいと思う気持ちは有り続けた。ダンジョンによる被害に関しては気にしていないのだから愚かしい。


 最後に、俺の台頭だ。

 国同士、王公貴族同士の間には交流が無いだけで行き来している一般人──商人等は少なくはない。其処から、この一年での王国の変化が刺激となり、募り積もった劣等感や身勝手な不満が爆発。同様の普段は不仲な隣国と協力してでも王国を奪おうと。

 まあ、そんな流れらしい。念の為に潜入していた王国軍の諜報員からの情報によればだ。


 俺は勿論だが、エル達の怒りが凄まじい。まあ、大事な営みを数日だろうと邪魔される訳だからな。怒るのは当たり前だ。

 …………いや、違う違う。怒る所が違う。

 勿論、それはそれで腹は立つけどな。


 エル達を宥める方が大変だった。

 その分が上乗せされてしまうのは道理である。


 え~と…………ああ、そうそう。諜報員からの話を聞いていたから、両隣の領地は敢えて無警戒。

 誘い込み、空に近い国境の関所を攻撃させたら、侵略行為が成立。つまり、正当防衛(・・・・)の成立。

 俺とエル達、その両隣が実家の歳下の妻達が牙を剥いて襲い掛かった。クラスという恩恵も無いし、マナやエーテルも扱えず、優れた武器や防具が有るという訳でもない。一方的で圧倒的に蹂躙。

 歳下組は妊娠初期である為、其処までだったが、俺達は一気に両国の王都に攻め込んだ。

 翌日には隣国を滅ぼし、王国の新たな領土として呑み込む事となった。


 戦後処理として王公貴族は鏖殺。女子供だろうが関係無い。慈悲? そんな物を求めるなら、戦争を仕掛けた馬鹿共を殺してでも止めてからにしろ。

 そして、そんな馬鹿の血には何の価値も無いし、王国には口先だけの奴は要らない。御前達は最後の王公貴族の責任を取って処刑される事が務めだ。


 ああ、それから若い娘達を側室に娶る様な真似は誰もしません。後々の火種になるだけなので。


 尚、敵軍に関しては王公貴族の血筋に連なる連中だけを殺して、他は投降を認めた。徴兵されようが参加した時点で共犯者・戦犯だから奴隷服役に。

 まあ、真面目に働けば一年間で解放する予定だ。その後の仕事先の斡旋もして遣る。真面目なら。

 だから、祖国が亡くなっても民は悲しまないし、心配する事は自分達の生活の事ばかり。支配される事が当たり前だったからなんだろうけどな。

 その反応を見ながら皮肉なものだと思った。


 ただまあ、当然、それで終わりではない。

 その馬鹿な二国でも国交の有る国は有る訳だし、其処に嫁いだり、婿入りしていた家族が居るなら、仇討ちという名目で挙兵し、攻めて来た。

 はい、全部纏めて一日で滅ぼして遣りましたよ。遊んでる暇は無いんで。

 戦後処理は同様に。


 ただ、二国で駄目ならと、五国、六国と協力して侵攻してきたから、王国の周辺に有った有力な国は壊滅し、その結果、大陸の八割強を王国が治める事になった為、残った十数の小国は自主降伏。

 別に敵対していた訳でもないから認めはするが、王国に加わるのなら王公貴族は義務と責任を果たす必要が有るので確認は怠らない。


 うん、既存の地位や血統は無価値になるからね。全員、平民になるから。商人として頑張れるのなら構わないけど……無理そう? 仕方が無いか。


 話し合いにより、処遇が決定した。

 降伏した全ての国、全ての王公貴族の家から妻を俺は迎える事となり、全ての家に王国の未婚男性が婿入りする形となった。


 こうして、ノーブルディネス王国によって大陸は統一されたのであった。


 これは余談になるのだが。

 戦後処理をしながら酷い政治体制だったと判り、色々と改善していたら、民達は王国に感謝・感激。王国の民として、その在り方を進んで学んでいる。遣り易くて助かるので余計な事は言いません。




 大陸統一が成され、陛下から王位を譲られた。


 俺以外、誰も異論が無いのは可笑しいと思う!


 陛下は隠居したので新しく作る学園の学園長に。孫との楽しい余生なんて送らせません。道連れだ。逃がすと思うな!


 大陸統一による影響が最初に出たのは各国に有るダンジョンだった。王国のダンジョンと同様になり超高難易度に。俺達が攻略した。楽しかった。

 しかし、俺のクラスが勇者から“救世主”に。

 エル達には隠せず──貪られています。


 話を戻して。

 王国の領土が大陸全体に拡大した為なんだろう。ゆっくりとだが、各地にダンジョンが新たに出現し始めている。低難易度の為、影響や被害は無いが、将来的な事を考えて備えなければならない。

 旧・王国領内から多くの人材が各地に散らばり、有事に備える事に。

 一応、婿入りした男性達が居ますけど、彼等には彼等の役目が有りますからね。

 まあ、皆さん優秀だし、不安は有りません。


 ただ、王国の領土が急に拡大した事で将来的には人手が不足する事は明白。俺の妻が更に増えた。

 降伏した国々から娶った妻達を含まないで。

 「子供を産めるのなら、大丈夫です」と未亡人で優秀な三十台半ばまでのクラス持ちの女性達。

 経験者だから遠慮は要らないだろうと思ったら、俺が激し過ぎたのか、久し振りだった為か、敏感で早々に腰砕け状態に。しかし、それは最初だけで、その後は滅茶苦茶貪欲に。

 エル達が張り合うから困る。



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