表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Noble Bright  作者: 桜惡夢
3/10

超越


 無事に二度目のクラスチェンジを果たした。

 魔法使いからは“魔術士”と“魔法剣士”になる事が出来る。見習い魔法使いの時から剣を長く使い戦っていると派生する。現実的にはクラスの選択は無いみたいだが、自分には有った。もしかしたら、俺だけはゲームシステムが有効なのかもしれない。遣り易いので助かる。


 俺が選んだのは魔術士。

 魔法剣士は魔法使いと剣士の複合職で、バランスタイプだが、特化したりはしない。その次のクラスチェンジが“魔法騎士”だが、それで行き止まり。能力的には優秀だが、魔術士と“高騎士”の複合職でしかない。

 魔法が自力で使用可能になった俺からしてみればアーツも使用可能になると思う為、クラスの魅力はアビリティのみとなる。

 魔法使いでレベルが上がった事で使用可能になる補助魔法【クイック】。それを元に、マナを使った独自の身体強化が可能になった。

 尚、同じ様に使用が可能になる【ストライク】は武器に1回分だけの強化。【プロテクト】は全身に1回だけ直撃を防ぐ見えない防御膜を纏う。一応、使用者と対象者には何方等も薄く光って見える。


 独自の魔法は構築出来無くても、自分自身にならマナを使った作用は有効だと試行錯誤して判った。まあ、火炎等の付与・装纏(エンチャント)は無理だが。

 それも次のクラスチェンジの先に有る。だから、魔術士を選んだ。魔法を極める為にもな。


 それと、ボーナスで[星屑の魔環]を得た。

 長さ1センチの筒状の黒に銀紋のイヤーカフス。専用品なので取り外し不可。散髪時には要注意。

 その効果は装備者の消費するマナを五分の一に。ゲームとは違い魔法以外にも適用される。


 色々と試したが、魔法の使用時に消費するマナの量には多少の幅が有るが、威力・効果は変わらず。つまり、最小限の方が良い訳だが、総マナ量の多い俺にとっとては微差に等しい。魔法では(・・・・)

 真価を発揮するのはマナを使った身体強化の時。勿論、自分が耐えられない過剰強化等は論外だが。単純に言って継戦時間が五倍になる訳だからレベル上げが捗る捗る。


 学園生活十日目で魔術士がレベル69。現在居る場所は二十七階層。マジで笑えてくる。

 このペースで行けば、野外演習の時には次の次のクラスにまで届く気がする。


 まあ、そう簡単な話ではないだろう。少なくとも四十一階層からは更に難易度が上がる。何故なら、五十階層にダンジョンのボスが居るから。

 ダンジョンの異変が起きた後、主人公達がボスを倒す事になる。ボスが倒されればダンジョンは消滅するのだが安全には変えられない。王女が居るから即断即決されるしな。


 因みに、正式な調査で攻略が確認されているのは三十三階層まで。俺が追い抜くのは確実だろうな。だが、逆に言えば、それ以上は調査をしていない。異変が起きるのも頷ける話だ。

 何しろ、ダンジョンを利用する形で学園を作り、創建から千年になるのだから。ある意味では限界(・・)を迎えたとも言える。これからの事だが。


 …………いやいや、先に攻略したら、どうなるか気にはなるけど遣らないから。遣りませんから。




 翌日。三十()階層。記録更新。

 三度目のクラスチェンジで現在は“魔道士”に。はい、ゲームなら中盤の終わり辺りに至るクラス。う~ん……俺無双な予感。

 寧ろ、今の俺に死亡フラグが立つって何で?

 それ、俺じゃなくても生徒全員が死ぬけど?


 ボーナスの専用装備品は[豪魔の闘環]。右手の人差し指に填まった。

 装備者の魔力を二倍、それ以外を五割増しする。能力値強化の効果。固有スキル【結界】は使用者の指定した形状・範囲の結界を展開する。規模により消費するマナの量は異なるが、維持には一定時間の消費が不可欠。ただ、使用者が結界内に居なくても展開・維持が可能なのは使い勝手が良い。最大だと学園全体を覆えるので破格のスキルだ。

 ちょっとした休憩も安全に出来る様に。一人だとソロ用テント一つ分の範囲でいいから。便利だ。

 まあ、結界は内外を完全に隔てる為、内側からは攻撃出来るとか、逆展開で一方的に封殺するという事は不可能なんだけど。


 使える魔法も初級・下級・中級と経て今は上級。ゲームなら終盤でも敵に十分ダメージを入れられる強さは有るから、マジ俺チート。


 それと、魔道士になるまでのレベルの上がり方で意外と失念していた事実に気付いた。

 最初の強化期間でもNPCとは言えエドマースが一緒に居る訳で。謂わば協力プレイになる。

 対して今の俺は完全なソロプレイ。モンスターに与えるダメージは全て俺によるもの。同士打ち的なダメージは除くにしてもだ。

 だから、モンスターを倒す為にダメージを与える事こそが経験値を得る事だと考えるのなら。

 ゲームでは常に強制的に協力プレイ状態だから、経験値が分配されてしまう。討伐者(ラストキル)には別で追加の経験が入ると考えれば、全キャラが必ず経験値を得られていた事にも納得。ゲームならマップ上に存在していればパーティー扱いになる。そういうシステムだったのだろうから。

 討伐は勿論、ダメージを与えてもいないキャラも経験値を貰えるのは協力プレイだから。ダメージを直接与えなくても、戦闘には関与・参加していると判断されたら、協力プレイの対象になるのだろう。

 まあ、誰が判断しているのかは言うまでもない。そういう風に神々が設定した(定めた)のだろう。


 つまり、ソロプレイの俺には分配相手が居ない。だから、経験値が丸々全部入ってくる事に。それはレベルがガンガン上がる訳だ。


 俺は【鑑識】が有るからレベルが判るが、普通はレベルの存在自体を知らない。クラスチェンジ時も保留という考えが生じない。判るって凄いな。




 三十六階層に到達した所で“大魔道士”になり、ボーナスの[重在の影環]が右手薬指に。

 装備者は固有アビリティ【並列考動】で、複数の思考・行動が並列で可能に。魔法やスキルの複数の同時使用というチート。

 ゲームでは二回行動だったが現実という事だと、こういう形になるのか。可笑しいけど気にしない。その御陰で生存率は高まるのだから。




 学園生活十九日目。流石に大魔道士は重いらしく時間が掛かっている。

 だが、現在居るのは四十二階層。ゲームは学園がメイン舞台であり、RPG要素はこのダンジョンが中心となる為、四十一階層以下が終盤の活動範囲。俺が可笑しいのは言うまでもない。

 四十一階層以降は広大なマップだったから単純に進むだけでも時間が掛かったものだ。

 だから今日中のクラスチェンジは確実だろう。


 ──そう思っていたら、あっさりと来た。

 最上位となる“賢者”に到達。ゲームでも緻密に計算・計画しないと辿り着けない領域だったから、ちょっと感動する。


 大魔道士のボーナスは[魔極の天刻]。自動的に身体──胸から背中に掛けて施される刻印であり、自分と同様の刻印保有者以外には視認は出来無い。良かった。着替えや風呂に入る時、気を付けなくて済みそうだ。

 効果は固有魔法【ダーク】の使用が可能になる。その名の通り闇属性だ。


 魔法は初級の四属性から始まり、下級のボール、中級では一定範囲内を対象にする魔法陣(サークル)魔壁(ウォール)。更に【サンダー】と【アイス】が加わる。


 魔道士は上級魔法。

 上級(メガ)と、属性付与(エレメント)

 雷・氷属性にはボールとサークルが無い。

 大魔道士は超級魔法。超級(ギガ)に。

 賢者は極級魔法。極級(テラ)となる。

 メガ・ギガ・テラは単体使用も範囲使用も任意。ゲームだと単純な範囲攻撃だったから有難い。


 ゲームでも現実でもクラスチェンジしてしまうと以前の魔法は使用不可能になる。それは俺も同じ。俺は自力で使用出来るというだけで。

 初級魔法は4種。下級魔法は8種……と四つずつ増加していき、極級魔法は24。何れも強力だが、その分、マナの消費量も多い。故に装備品の違いが活躍を左右する事は言うまでもない。


 ただ、ボーナス装備品は判る。チート性能だし。しかし、以前から愛用している只の鉄の、量産品の剣が未だに現役って……謎だ。

 【鑑識】でも[鉄の剣]としか出ていないしな。ああ、一応、“レイグリフが長く愛用している”と補足は付いているが。




 学園生活二十六日目。目の前にボスの待つ部屋の扉が存在している。

 勿論、挑んだりはしない。まだダンジョンを失うタイミングではないのだから。

 取り敢えず、マーキングだけして、レベル上げ。もう直ぐ賢者が完ストするから。その先は無いけど完ストしていれば後が楽で安全だから。



《──クラス[賢者]が上限値(レベル99)に達しました》

《世界で初めて成した偉業を讃え、神々から新たなクラスが授けられます》

《新たに授かるクラスを選択して下さい》



 ……………………………………………………え?


 突如、聞こえた声に思わず固まる。危ないから、反射的に【結界】を張ったが……関係無いらしい。良かった……のか?


 取り敢えず、目の前に有る選択肢を見る。それは最下位となる7つの見習いクラス。

 まあ、魔法使いは無い。ボーナス装備品目当てでもう一周するのも何だしな。

 だから剣士・騎士・戦士・弓使い・盾使い・僧侶からの選択になる。

 アーツ目当てなら前衛系、後衛なら遠距離攻撃か回復役になるが……悩むまでもない。

 “見習い僧侶”を選択する。

 回復手段──奇跡を使える様になる為に。


 選択すると紋章が輝き──収まる。確認すれば、ちゃんと見習い僧侶に成っている。

 よし、【ヒール】の奇跡が有る。


 ──が、それよりも目の前に浮かんだ光の球だ。俺の勘違いではないのなら、賢者のボーナス装備品だと思う。未知の存在ではあるが──手を伸ばす。勿体無いから。

 ……あれ? 消えた? もしかして刻印系だったの、か………………は?


[金魔の羅玉]

 専用天器(・・)。愛妻と性なる交わりを行う事により、御互いのマナとエーテルを混ぜ、高める。

 宿主に子宝康生の恩恵、血に子孫繁栄の恩恵。


 ………………よし、見なかった事にしよう。


 それより、クラスが最下位に成った影響を此処で確かめておかないとな。呆気なく死にたくはない。まあ、総マナ量は減った感じはしないし、装備品も有るから変化しているのなら魔法の威力等かな。



「──という訳で、さくっと、【テラファイア】」



 …………あれれー? 可笑しいなー。どうしてか威力が落ちる所か、上がってるー。

 ……ふぅ…………事実から目を逸らしても無意味だよな……これはアレか、賢者レベル99の能力が基礎値に加わっている、とか?

 もしそうなら、人生勝ち確だな。


 …………あ。ま、まあ、そうだよな。

 五十階層(此処)のモンスターが相手だったら1体だけで最下位のクラスならレベル99になるよな~。

 はい、“僧侶”にクラスチェンジ。そして、そのボーナスの装備品[快眠の夢環]が左手の薬指に。睡眠中の体力等のあらゆる回復力が倍増し、それに加えて固有スキル【調合】で調薬が可能になった。材料は【鑑識】で判るし、【インベントリ】に収納しておけば、いつでも作れる。助かる。


 そんな訳で魔法は問題無し。次は剣で……え? 俺の剣、いつ変わったんだ? 変わってた筈なのに全く気付かなかったなぁ……


[魔閃の天刃]

 専用天具(・・)。主と共に極致を知った至剣。

 マナ・エーテルを糧に“刃輝”を生み纏う。

 固有アビリティ【不壊不鈍】を備える。


 チートだなぁ……これからも宜しくな、相棒。

 身幅や長さ等は変わっていない様で鞘に収まる。まあ、見た目は明らかに格が上がっていたけど。


 どんどんチート化していく自分が恐ろしいけど、もう既に自重もし難くなってるよなぁ……主人公に関わりたくはないんだけど……どうするかなぁ……

 まあ、それはそれ。成るように成るか。

 この調子なら、今日中に二回のクラスチェンジも可能だろうし……よし、頑張って遣るか。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ