17話 よろしくね2
召喚のスキルを使うと、ユキの時と同じように魔法陣のようなものが現れて光る。
ユキの時よりも魔法陣が大きい気がする…。
少しして光が収まると、そこにいたのは鷲のような見た目の鳥型の魔物だった。
「うわぁ!かっこいい~!!」
羽と胴体は青みがかった黒色、頭から首のあたりは美しい白色をしている。
背の高さは私より少し小さいくらい。
でかい。
そして、なによりもめっちゃ凛々しい。
はっきり言って、めっちゃカッコいい。
私がその子を惚けたように観察していると
「ウッキキ!」
早く契約してやれと言わんばかりに、ユキが小突いてきた。
「あ、そうだった!えーっと、あなたの名前は〈ソラ〉!これからよろしくね?」
この広い空を自由に飛んでる姿を思い浮かべて、私は2番目の家族にソラと名付けることにした。
私が名前をつけると、私とソラの間にも確かな繋がりが出来たことを感じた。
無事、契約が済んだようだ。
ソラは凛々しい顔のまま私に近付き、頭を下げてきた。
よろしくお願いしますと言っているようだった。
見た目通りクールな性格なのかもしれない。
「あ、そうだ。ソラのステータス確認させてもらうね?鑑定!」
≪ソラ≫
◇ウィンドホーク 性別:なし
◇Lv:19 HP:430/430 MP:230/230
◇保有スキル
飛行Lv1
変化Lv1
◇魔法適正:風、雷属性 特殊:アスカ サメジマの召喚魔
「おぉ!HPもMPも負けてる。ソラすごいね!風と雷の魔法適正もある!」
「クルゥ」
「わ、あなたの声初めて聞けた!綺麗な声だね」
「…クルゥ」
「ウキキ♪」
ソラは少し照れて、ユキは私の言葉に同意してくれたようだ。
可愛いやつらめ。
召喚者より強い魔物は召喚できないはずなので、判断基準はHPやMPではないのだろう。
とりあえずソラのスキルを詳しく見ていくことにする。
鑑定のレベルが上がったことで、より詳しくステータスを見ることが出来るようになった。
〈飛行〉このスキルを持っている飛行型の魔物は、長距離長時間の飛行が可能になる。飛行距離や飛行時間はレベルに応じて伸びる。Lv6まで上げると無限に飛行が可能。Lv7以降はスピードが上がっていく。
〈変化〉身体の大きさをある程度自由に変えられる。レベルが上がるごとに自由度が増す。
「おぉ!ソラ身体の大きさ変えられるの?!」
私がそう言うと、ソラは少し考えるそぶりをしてから、バサっと翼を広げた。
すると、ソラの身体がぐぐっと二回りほど大きくなった。
私の身長よりも20cmほど高くなった。
すごいと感心していると、今度はしゅるしゅると縮んでいき、元の大きさの半分くらいになった!
カッコよさと可愛さが共存している…
いい…
小さくなったソラに近付いてそっと頭を撫でてやると、嫌がるようなそぶりもなく、控えめに甘えてくれた。
「ぐぅかわ」
思わずそんな言葉がもれる。
しばらくさらさらの体毛を堪能しながら、私はあることに気付いた。
「ソラのスキルレベルが上がったら、大陸までの移動も出来るようになるかも!」
そう、この海の果ての無人島から、どうやって大陸まで移動するか色んな方法を思い浮かべてはいたのだが、ソラの飛行と変化があれば全て解決するのだ。
なんて、私に都合の良い召喚魔が出てきてくれたのだろう。
もしかしたら、これも何かフォルティナ様のお力添えがあったのかもしれない。
「よし、それじゃぁソラ!大変かもしれないけれど、出来るだけスキルを使うようにしてほしいの。無理はしない範囲でお願いできるかな?」
「クルゥ!」
ソラは任せておけとでも言うように、小さくなった身体のまま空へと飛び立とうとしている。
さっそく、飛行を使ってくれるようだ。
「この島の中には魔物はいないけど、海や空は分からないからあまり遠くにいかないでね!気を付けて!」
私の言葉に静かに頷き、ソラはそのまま飛び立っていった。
「ふぅ、それじゃぁ、私はまだやりたいことがあるんだけど、ユキはどうする?」
「ウキキ!」
「分かった。じゃぁ、大丈夫だと思うけど気を付けてね!あと、一応鞄も渡しておくね。」
ユキはユキで1人で森の探索という名の散歩に行きたいようなので、好きにさせる。
この島の探索はほぼ終わっていて、その結果、私たちに危害を加えるような大型の動物はいないだろうという結論に至った。
もちろん絶対ではないけど、どちらにしてもレベル20になって攻撃魔法も使える私達なら、対処するぐらいは簡単だろうということで、最近はたまにユキが1人で散歩に出掛けたりする。
その際、見つけた食べ物や薬草を採ってきてくれるので、ダンジョンから手に入った素材や布でユキ用のリュックを創作で作ってあげた。
シンプルな作りだが、本人は大変気に入ってくれている。
今もご機嫌にリュックを背負って森へと入って行くのを見送り、私もやりたかったことを始める。
「さて、やりますか」
私は空間魔法を発動して、その中にあるはずの必要な素材を思い浮かべる。




