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俺の全部、君の全部  作者: 牧谷球児
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記憶の底に

高校生です

初投稿です

お手柔らかに見てくれると幸いです

趣味で書いています

不定期に追加出します

私は、前葉大知という。

東京の江戸川区にある病院で生まれ、足立区で育ったらしい。今は、港区にある線路沿いの小さいアパートに住んでいる。1DKで大学生が一人暮らしをするにはもったいないくらいだ。

小学生から高校生までは好奇心旺盛で目立ちたがりな性格だったらしいが、そんなことは一切覚えていない。友と呼べるものは一人いるらしい。いつも自分の中の私の話をしにわざわざ名古屋から二週に一度のペースで家にやって来る。

それから、ずっとそばにいるこの女の人・・・



 俺は小、中と生徒会に入り最上級生になると生徒会長になった。

それが勉強も運動も顔も背も突出していない俺が目立てる唯一の場所だったからだ。

 二度寝させてたまるかと言わんばかりの眩しくでも暖かな日差しが春をつげていた。今日から新学期が始まる。都内でも上位に入る都立の進学校に少し背伸びをして入った大知は、成績ギリギリのところで進級することができた。頭が悪いわけではない。努力がすこーーーしだけ足りないだけだ。高校受験の時だって三か月のみ塾に入っただけでA判定が取れていた。まあ受験自体は推薦で受かったのだが。高校に入ってからは気が抜けたのか塾はやめ、家で勉強することもなくなった。大知は勉強に使わない努力部活にも使わず人間関係を養うことに費やしていた。

 目が覚めた大知は時計を見てぞっとした。時計は八時三十分を疾うにまわっていた。

「やっべ。ちくしょー。やっちまった。」

うなだれて春にはもう厚い掛布団に右左交互にジャブを入れた。そして、ハッとした。実は昨日、遅刻しないようにとわざと時間を一時間早めていたのだ。

「何だよ、誰だよやったの。」

自分にしてやられた大知は頭を掻きながら昨日の残り物が並ぶリビングに足を入れた。

「今日から二年生なんだから、シャキッとしなさいシャキッと。」

と母から活が入る。

「学年が変わっただけでいつもと一緒だろ。」

「そんなこといったってねぇ、何事も最初が肝心ていうじゃない。」

「あーはいはい。わかっておりますよ。ごちそうさん。」

「あら、もういいの。もうちょっと食べなさいよ。」

母からの忠告を横目にそそくさと自部屋に戻りLINEを確認する。

〝いつもどうりで〝と送り制服に着替えた。正直この制服は俺に似合ってると思う。

大知の中学校は古いタイプの学ランで自分には似合わず嫌で嫌でしょうがなかった。その反発からか高校選びの条件には制服がブレザーであることが加えられた。

 ドアにかかっている全身鏡で身だしなみを整え、勢いよく玄関から飛び出し駅に向かった。

駅について電車が来るのをいつも通りホームの一番前で待っていると、後ろから「うぃっす。」と肩をたたいてやつが来たことを知らされた。

 〝やつ〟とは幼稚園から小学校、中学校そして高校まで一緒のいわば幼馴染というやつだ。こいつは川島風雅という。風雅は野球部に所属していて一年中坊主だったが、今日に限っては誰にもわからないようなツーブロックをしてきていた。

「いかしてんだろ。どうよ。」

と自分がさもイケメンになったかのように自慢してくる。

「いかすも何もまず常人にはわからない差だぞ。」

「七ミリと三ミリはかなりの差だわ。わかってないねぇ。これだから二流の坊主ソムリエは。」

と言いバラエティー番組の観客の様にゲラゲラと笑った。

 風雅は人見知りでなかなか心を開かない。所属している野球部の仲間にさえそっけないくらいだ。だが、心を開けば自分のことを堂々と喋りかなり饒舌になる。そして、こいつはゲラだ。

 「どうなるかね、クラス。まぁでもほとんどわかりきってるけど。」

と少し表情を強張らせながら満面の笑みで笑って言った。

 うちの学校は二年に上がると文系理系と別れさらにそこから数二を取るもの数三を取るもの、日本史、世界史と別れる。ちなみに俺と風雅は文系の日本史選択だ。

 電車から降りるとそこから花びらは疾うに散り、まだ健気な青葉が生い茂る桜街道を通り学校まで歩いた。

 学校に着くと校門にクラス名簿が張り出されており、きゃっきゃきゃっきゃと喜ぶものがいる

反面うなだれて自分の選択した道を嘆くものもいた。

 その名簿を見て大知はため息をついた。風雅と違うクラスになったからではない。クラスの編成が酷すぎたからだ。

 大知はその性格からいろんな友達がいた。同学年の三分の二の生徒はすでに友達になっている。なので、誰と誰が好きあって誰と誰がいがみ合っているのかを知っていた。クラス編成を見る限り教員たちは生徒の人間関係をわかっていない。

「別れたな。」

少しばかり笑みをこぼれさせて風雅が言う。

「あーあ、おまえは嬉しそうで何よりだ。」

「嘘、顔に出てるか?やべー、どうししよう。真顔の練習しなきゃ。いやーにしてもうれしいな。俺にも運がまわってきたな。よし俺は決めた、今年中にアタックするぜ。協力してくれよな相棒よ。」

「あーうん。もちのろんだ。」

適当にもほどがある、そんな返事をした。親友の惚気に付き合っているほど大知の脳のキャパシティーは限界をむかえていた。

 このクラスで一年間やっていけるか、どう立ち回ればみんなが円満に終えられるか、この時大知の計算速度は優にスーパーコンピュータを超えていたと思ってもらっても構わない。

 くそぅ。なんてったって俺をこんなクラスに入れたんだ。とりあえずこのクラスには仲良くなって終わって欲しい。俺のいたクラスが面白くないまま終わっていいはずがない。

 そう心に決め教室の前で風雅と別れた。


これからどうなるのか

最初の分の大知とそのあとの大知はどういつ同一人物です

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