【罠にかかった忍と侍】
こんにちわ!有馬波璃海です!
ただの趣味での投稿になります!(*´-`)
こちらの、作品は、長編連載小説【時雨の里】の姉妹作品で、【時雨の里】の時代から約25年前の話となっています。
※こちらの作品は、シリアスながらもほのぼの要素のある【時雨の里】とは異なり、ギャグ要素はあっても、全体的にシリアスな感じになることが予想されます。あらかじめご注意ください。m(__)m
【時雨の里】絶賛連載中!こちらも、ぜひ、ご覧ください!(。-人-。)
◯長編小説◯
【時雨の里】(連載中)
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【猿飛】
「何をするつもりだ・・・。|甲神。」
すると、刀馬は猿飛を横目で見ると、面倒くさそうに言う。
【刀馬】
「ようは、コイツを無理矢理にでも起こして、術を解かせれば良いんだろう?まかせておけ・・・。」
刀馬は不適な笑みを浮かべたまま刀を、頭上まで持ち上げる。猿飛は、あまりにも突拍子もない刀馬の行動の意味を理解することができず、呆然としていたが、ハッと我に返り。刀馬を後ろから、両脇に腕を入れて押さえつける。
【猿飛】
「や、やめろ!甲神!お前・・・まさか術にかかってるんじゃ!」
【刀馬】
「何言ってやがる?いくら、深い眠りについてても、ちょっと刀でつつけば、嫌でも飛び起きるだろうが・・・。」
【猿飛】
「や、やめろ、アホウが!それじゃ、飛び起きるどころか、違う世界に飛んで行っちまう!」
【刀馬】
「大丈夫だ。死なない程度にするから・・・。」
【猿飛】
「死なない程度ってどういうこと?余計に怖いわ!お前何?加虐性変態性欲者ってやつか?」
【刀馬】
「何言ってやがる?そんな気持ち悪い物と一緒にすんじゃねぇーよ。俺はただのサディストだ。」
刀馬は、真剣な顔で言った。
【猿飛】
「お前、ふざけんな。おんなじ意味じゃねぇーか。」
澪はそんな二人の会話を冷めた目で見ていたのだが、これ以上続けても時間の無駄だと思ったのか、咳払いをする。しかし二人は・・・。
【刀馬】
「・・・だからよ。ちょっと切るだけだって、言ってんじゃねぇーか。」
【猿飛】
「だから、それがダメだと言ってるんだ!まったく、どうして、お前は・・・!」
まったく気づく様子のない二人の悪ガキに澪はだんだんイライラしながら、咳払いを繰り返えす。しかし・・・。
【刀馬】
「大丈夫だって、こいつ、死んでも死ななそうじゃん?それよりも、マズここから逃げるのが先決だろうが・・・。」
今にも鵜飼に斬りかかりそうな刀馬を猿飛は必死に押さえ込む。
【猿飛】
「お前も、分からないやつだな。人は死ぬときは死ぬんだよ。こいつだって、寝込みを襲われたとなっては、死んでも死にきれない・・ぜ・・・。あっ・・・。」
猿飛は、しまった・・・。と思った。
【刀馬】
「ほらっ!つまり、そうそう死なないからちょっとくらい痛めつけても大丈夫ってことだろう?」
【猿飛】
「今のは、そういう意味で言ったんじゃねぇー!」
とうとう澪は、カンカンに怒って咳払いをする。
【澪】
「ゴホゴホゴホゴボ・・・ゴホゴホゴホゴボゴホゴホゴホゴボ!!!!!!!!!!!!!!!!」
二人は、ここに来て、澪の方をようやく見て、黙った。
【二人】
「・・・・・・・・・。」
【澪】
「・・・・・・。」
【二人】
「・・・・・・。」
【澪】
「・・・・・・。」
【猿飛】
「・・・いや、なんか喋れよ・・・。」
【澪】
「だって・・・。」
澪は、ちょっと照れた様子で、顔を背ける。
【澪】
「だって・・・そんな突然注目されたら、緊張しちゃうじゃない。」
【猿飛】
「なんだ、お前。意外と繊細なのね。」
澪は、顔を真っ赤にして、着物の袖口で口元を隠して、下を向く・・・。
【刀馬】
「お前・・・まさか!」
刀馬は、刀を鞘にしまって、後方で自分と猿飛のやり取りをみやっていた、澪の所へかける。そして、おもむろに澪の額に自分の右手をあてた。
【刀馬】
「すごい咳に、赤い顔。風邪でも引いたんじゃないのか?」
刀馬は、着ていた羽織を澪にかける。
【猿飛】
「いやいやいや。お前もお前で優しいんかい。」
刀馬は、澪に羽織りをかけ終わると再び鞘から刀を抜き取る。
【刀馬】
「さて、茶番はここまでだ。」
【猿飛】
「いや、茶番してる自覚あったのかよ・・・。」
【刀馬】
「何はともあれ、ここから抜け出さねぇーとだ。ったく。本当にこの忍は使えねぇーな。」
刀馬は、鵜飼を蔑むような目で見た後、もう一度、遊乱亭内部を見渡す。朱色を中心にどこまでも続く美しい廊下。天井を見れば金に輝く美しい装飾で彩られ、部屋と部屋は障子で仕切られ、部屋部屋は、連なり真っ直ぐに続いている。
刀馬は、何かおかしいと感じた。廊下があまりにも長すぎると。
刀馬は、近くの部屋を、仕切る障子を刀で切り裂いて見る。猿飛と澪はその様子を固唾を飲んで見守っていた。
【刀馬】
「いち・・・にー・・・さん・・・」
すると、まっすぐに続く12番目、24番目、36番目・・・・・・。の部屋の障子が同じように切り裂かれる。猿飛と澪は驚きを隠せない。
【刀馬】
「なーるほど、分かったぜ。この術の正体が・・・。」
読んでくださり、ありがとうございました!
次回も、是非、ご覧くださいませ!
(*´-`)
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