表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【闇に沈む侍】  作者: 有馬波瑠海
8/18

【遊郭】ー遊乱亭にてー 幻想

こんにちわ!有馬波璃海(ありまはるか)です!

ただの趣味での投稿になります!(*´-`)


こちらの、作品は、長編連載小説【時雨の里】の姉妹作品で、【時雨の里】の時代から約25年前の話となっています。




※こちらの作品は、シリアスながらもほのぼの要素のある【時雨の里】とは異なり、ギャグ要素はあっても、全体的にシリアスな感じになることが予想されます。あらかじめご注意ください。m(__)m




【時雨の里】絶賛連載中!こちらも、ぜひ、ご覧ください!(。-人-。)




◯長編小説◯

【時雨の里】(連載中)

https://ncode.syosetu.com/n5101gr/

刀馬(とうま)

「それで・・・これから、どうするんだ?この花魁娘によれば、上方(かみがた)さんは来ない。」

 

 刀馬(とうま)は、かったるそうに言った。すると、(みお)突然刀馬(とうま)の右腕を掴み、刀馬(とうま)の正面に自分の背を向け腰を使って、思いっきり刀馬(とうま)を落とす。


刀馬(とうま)

「えっ?」


 刀馬(とうま)は一瞬の出来事のため、何が起こったのか理解することが出来ず、そのまま床へと叩きつけられてしまった。猿飛(さるとび)も予期せぬ出来事にただただ呆気にとられていた。気がつけば、遊乱亭の美しい装飾が施された天井が目前にあった。しかし、すぐに我に返った刀馬(とうま)は、声を荒げながら言う。


刀馬(とうま)

「お前、何しやがる!」


(みお)は、怒っている様子で荒々しく言う。


(みお)

「アタシの名前は、(みお)。花魁娘なんかじゃないわ。」


 猿飛(さるとび)は二人の様子を見て静かに忍刀を背中の鞘にしまうと、鵜飼(うかい)の腕を自分の肩にかける。


猿飛(さるとび)

刀馬(とうま)・・・。お前が悪い、後で謝るんだな。それより・・・ここに、もう用はない。新手が来る前に撤収だ。」


刀馬(とうま)

「・・・そうだな。悪かった。」


 刀馬(とうま)は起き上がると、猿飛(さるとび)鵜飼(うかい)の肩に手をあてた。刀馬(とうま)は何かを決意した様子で言う。


刀馬(とうま)

「ここには、上方さんはいなかった・・・。早くここから出て、伊賀の皆を探さなねぇーとな・・・。」


猿飛(さるとび)

「あぁ・・・。」


 猿飛(さるとび)は急ぎ足で、遊郭の美しい廊下を駆けていく。刀馬(とうま)(みお)もそれに続く。長い廊下は、左側障子で障子で仕切られた部屋がり、一方で右側は、朱色の壁に金色の鶴や、富士のなどの日の本を代表するような風景が描かれた雅な壁がどこまでも続いていた。先程の騒ぎで、中にいた人々はどこかへ避難でもしたのだろうか?人のいる気配がしない。それどころか、走っても走っても出口が見つからない。


猿飛(さるとび)

「どういうことだ・・・。何がどうなっている?」


刀馬(とうま)

「この屋敷・・・。何か変だ・・・。お前、何か知らないのか?」


(みお)

「ふん!アタシ、お前なんて名前じゃないわ。」

(みお)は、そっぽを向いて、とても不機嫌そうだ。


刀馬(とうま)

「お前、まさか。風魔の手先になったんじゃ・・・。」


 刀馬(とうま)は真剣な眼差しで、(みお)を問い詰める。それに対して、(みお)は顔を真っ赤にして言う。


(みお)

「アタシは、由緒正しき伊賀の武家の女よ!裏切ったりなんてしないわ。」


 (みお)は、よりいっそう機嫌を悪くする。刀馬(とうま)猿飛(さるとび)は互いに顔を見合わせる。そして、互いに背中を合わせるようにしてその屋敷全体を見る。刀馬(とうま)はすく近くの部屋の障子に手をかけ、戸を開ける。しかし中には誰もいない。猿飛(さるとび)も手当たり次第の部屋の障子を開けていく。しかし、どこにも人がいた形跡はない・・・。


刀馬(とうま)

「忍御用達のからくり屋敷か?ここは・・・。」


猿飛(さるとび)

「からくり屋敷だってこんなに不気味じゃねぇーよ。」


 どの部屋も美しい装飾が施され、縦軸や遊女達が使うであろう扇子やら琴などの楽器が並ぶ・・・。今にも、賑やかな宴会でも始まりそうな

漂う部屋部屋。人間だけはそこにいなかった。猿飛(さるとび)鵜飼(うかい)を廊下の壁に持たれかけさせ、呟いた・・・。


猿飛(さるとび)

「マズいな・・・。」


刀馬(とうま)

猿飛(さるとび)?」


猿飛(さるとび)

「俺達は、もう敵の術の中だ・・・。」


刀馬(とうま)

「まぁ・・・見るからに、だけど。問題はどう抜け出すか・・・だ。」


 猿飛(さるとび)は、鵜飼(うかい)の肩を強引に揺らす。しかし、鵜飼(うかい)はピクリとも動かない。


猿飛(さるとび)

「これは、俺の予想だが・・・。鵜飼(うかい)はさっき100人いた風魔の連中を倒した訳だが・・・。今思えば、風魔の連中にしては手応えが無さすぎた。あの時、風馬の連中の中で、鵜飼(うかい)同様、幻覚系の忍術を使えるやつがいたのだろう。幻覚系の術を破るには、それ相応の気の使い方ってのがあるわけだが、この術・・・。相当強いようだ。まったく気の緩みがない。まぁそれでも鵜飼(うかい)が起きていれば、大した問題ではないんだが、こいつは術の副作用でしばらくこの調子だ。あいつらの狙いはまず、鵜飼(うかい)を潰すことだったんだ・・・。」


刀馬(とうま)

「やれやれ。倒したと思っていた風魔に逆に術にかけられたってわけか。じゃあ、100人いたというそもそも、風魔を倒したってのも幻覚なんじゃないのか?」


 刀馬(とうま)は、少し真剣な表情になって言う。


猿飛(さるとび)

「いや、それは大丈夫だ。現に鵜飼(うかい)はこうして夢の中だ。これは確実に術事態が成功したという証拠・・・。それに、鵜飼(うかい)は並みの精神身体型の使い手じゃないからな、一人や二人の記憶情報を盗んだだけでへばったりはしねぇー。つまり、実際に倒したやつらは100人くらいいたというわけだ。この術をかけたやつも、今は鵜飼(うかい)のかけた術にかかってぶっ倒れてるだろうよ・・・。」


刀馬(とうま)

「なら、話は早い・・・。」


 刀馬(とうま)は、刀を腰の鞘から引き抜いた。それを見た猿飛(さるとび)は嫌な予感がする。


猿飛(さるとび)

「お前・・・何をするつもりだ・・・?」


 すると、刀馬(とうま)は不適に笑い壁に寄りかかる鵜飼(うかい)を嬉しそうに見下ろすのだった。



読んでくださり、ありがとうございました!

次回も是非、ご覧くださいませ!(*´-`)


◯長編小説◯

【時雨の里】(連載中)

https://ncode.syosetu.com/n5101gr/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ