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【闇に沈む侍】  作者: 有馬波瑠海
7/18

【遊郭】 ー遊乱亭にてー ムカつく輩

こんにちわ!有馬波璃海(ありまはるか)です!

ただの趣味での投稿になります!(*´-`)

こちらの、作品は、長編連載小説【時雨の里】の姉妹作品で、【時雨の里】の時代から約25年前の話となっています。


※こちらの作品は、シリアスながらもほのぼの要素のある【時雨の里】とは異なり、ギャグ要素はあっても、全体的にシリアスな感じになることが予想されます。あらかじめご注意ください。m(__)m


【時雨の里】絶賛連載中!こちらも、ぜひ、ご覧ください!

(。-人-。)


◯長編小説◯

【時雨の里】(連載中)

https://ncode.syosetu.com/n5101gr/


 一人、部屋に残された、鵜飼(うかい)は、用意された酒を一口飲もうとして、そのまま床に置いた。くせ毛かかった黒髪に、頬に二本、顎に一本黒い線を描いており、細くつり上がった目は怖い印象を他に与えた。


戦友である猿飛(さるとび)は自分よりも、二つ年上でありながらもどこかつかみ所がなく、何を考えているのか分からない男だ。しかし、そんな男に自分の姉は惚れた。幼い頃からのに両親を戦で無くした俺達、姉弟は互いに助け合いがら生きて来た。


 お互いに互いが一番の理解者で、たった一人の家族だった。しかし、ある時あいつは現れた。突然現れては、軽やかに任務を片付け、姉の心まで軽い調子で奪っていった。あいつは鬼なのかそれとも、仏なのか、素性の分からぬ。なぜなら普段のあいつは任務中に居眠りをしたり、標的を取り逃がしたりと、かなり適当なところのあるやつだ。だが、あいつはここぞという所ではやる男だった。



 火の忍術が優れているという甲神の忍の中で随一の火の使い手で甲賀の将来を託すべき男だと周りはあいつを昔から祭り立てていた確かにあいつはそう言われるだけの実力を持っているやつだった。伊賀と風魔の戦の火種が甲賀にも来そうになった時、あいつはだれよりも早くそれに気づき、誰も気づくことができなかった甲賀内部に侵入したスパイや裏切り者を炙り出していった。


 自分に好意を寄せる姉貴に対する態度も、フラついた態度を見せたことはない。全く、俺の周りに来るやつはどうしてこうも、ムカつくやつばかりくるのだろうか・・・。


そんなことを考えながら、外に広がる街を見れば

どこまでも(あで)やかで美しい提灯(ちょうちん)の明かりがどこまでも続いている。その明るい提灯(ちょうちん)の下には、いくつもの黒いカゴが美しく(さえ)ずる小鳥を閉じ込めている。小鳥は、目の前を通りすぎていく、狼にその美しい(さえ)ずりを聞かせ呼び寄せる。その狼に噛み殺されると知りながら・・・。なんと、悲しい街だろうか・・・。



そこへ猿飛(さるとび)何やら、慌てた様子でやって来る。


鵜飼(うかい)

猿飛(さるとび)、お前が慌てるなんて珍しいこともあるもんだな。」


 鵜飼(うかい)は、少し意外そうに言う。


猿飛(さるとび)

「呑気なことを言ってる場合じゃねぇー。おい、甲神はどこへ行った?」


猿飛(さるとび)、なんだかイライラしている様子で言う。


鵜飼(うかい)

「あぁ?あいつなら、さっき今日が水揚げだとか言う娘と一発ーーーーー。」


 そんな時だった。何者かがこちらへやって来る。そして、その何者の足音はどんどん増えて行き、音も恐ろしい速度で大きくなっていく。


鵜飼(うかい)

「・・・どうやら、先に来ていると聞いていた俺達の部下の足音じゃねぇー。ふっ、しかも大分大勢でお出ましだ・・・。」


 猿飛(さるとび)は、何やら覚悟を決めたかのように静かに背に背負う忍刀を抜き取った。振り向けばそこには大勢の風魔の国の勢力が来ている。クナイに刀に、カマに槍・・・様々な武器を引っ提げ獲物を追い詰めた狼のようなギラギラとした目でこちらを見ている。すると、風魔一人の忍が言った。


「この花街は、今や風魔が占領させてもらった。」


鵜飼(うかい)

「なんだ?テメェーら。可哀想なカゴの中の小鳥達を自分達のためだけに(さえ)ずらせるつもりか?まったく、風魔は趣味が悪くていけねぇー・・・。」


 鵜飼(うかい)は、目前の敵を見下したような目を向ける。


猿飛(さるとび)

鵜飼(うかい)、亘さんからの伝令は、こいつらが亘さんにふんして送って来たニセの伝令だ。目的は、俺達、甲賀の上忍で部隊を指揮する忍暗殺か?それとも、伊賀の侍の生き残りの残党狩りか・・・。」


 風魔の侍が言う。

「まぁ、どっちも成敗できるなら、一石二鳥。」


鵜飼(うかい)は、静かな口調で猿飛(さるとび)に問う。


鵜飼(うかい)

猿飛(さるとび)、どうする?ここでは火を使う忍術は使えない。今、甲神がどういう状況にいるか分からないが、あいつが仮に戦える状況にあったとしても、雷は使えない。こんな建物の内部も、外の道も狭いんだ。花街が、火の海になっちまう。」


猿飛(さるとび)

鵜飼(うかい)・・・。」


鵜飼(うかい)

「なんだ?」


猿飛(さるとび)

「甲神は、今戦える状況にないかも知れないとは、どういうことだ?」


鵜飼(うかい)

「はえ?」

 鵜飼(うかい)はその場に倒れこむ。


鵜飼(うかい)

「今、そんなこと言ってる場合じゃないだろうが!」

鵜飼(うかい)は、顔を真っ赤にして起こりながら言う。


猿飛(さるとび)

「ま、まさか、あいつ!」


鵜飼(うかい)

「あぁ、そのまさかだ・・・。本当にあの芋侍の野郎は・・・。」


 鵜飼(うかい)は、ようやく分かったかとため息混じりにその先に続く言葉を紡ごうとした。しかし・・・


猿飛(さるとび)

「・・・泥酔しているのか?」


鵜飼(うかい)

「はっ!えぇー?どうして、そうなるんだ?まぁ、なきにしもあらずだが、泥酔してるのは、酒じゃなくてオン・・・」


猿飛(さるとび)

「ほっとくわけには行かん。あいつがいる部屋はどこだ?」


鵜飼(うかい)

「・・・いや・・・その・・部屋には行かない方が、良いと思うよ?」


 鵜飼(うかい)は、少し照れながらためらいがちに言うが、まったく猿飛(さるとび)に通じない。


猿飛(さるとび)

「うん?なぜだ?」


鵜飼(うかい)

「あぁー!どいつもこいつもめんどくせー!!!」


 風魔の忍達は、呆れたように二人のやりとりを見ていただが、突然、我に返ったようにクナイを投げてきた。しかし、猿飛(さるとび)鵜飼(うかい)はそれわやさらりとかわす。


鵜飼(うかい)

猿飛(さるとび)、どうする?この状況では、俺達が不利だ。それに結局、上方新一郎もいないとなれば、戦わずして、逃げ切るのが得策じゃねぇーか?」


猿飛(さるとび)】 

「まぁ・・・そうだな。取れるものがあるなら、とりたいが・・・。」


鵜飼(うかい)】 

「あー。上手くいくかは保証できねぇー。何せ人数が人数だからな・・・。100はいるなこれは・・・」  


 鵜飼(うかい)は、少し不安そうな顔をした。猿飛(さるとび)は、そんな鵜飼(うかい)の様子を見て、目を伏せ淡々と言った。



猿飛(さるとび)

「まぁ・・・大丈夫だ。甲神もいるしな。後はなんとかしよう。」  


鵜飼(うかい)】 

「おし。それなら・・・。」


・・・精神身体型(せいしんしんたいがた)忍術(にんじゅつ)記憶解明(きおくかいめい)"・・・


 鵜飼(うかい)は、印を素早く結び目前の敵を睨み付ける。すると、印を結んだのと同時に100人はいるかと思われた敵は全てその場に、糸が切れた人形のように倒れこむ。


そして、隣で倒れこむ男がもう一人・・・。 


猿飛(さるとび)

「はぁー。やっぱりダメだったか・・・。お前の術は、一度に滴の頭の中に気を送り、自分が知り得たい情報を敵の頭の中から自分の頭に入れることができる術であり、気を送られた敵を気絶させることもできる。だが、これはもろ刃の剣で、人数が増えたり、情報量が多すぎれば、自分の頭の中で情報を処理する速度が追い付かず、自分まで気絶してしまうっていう扱いずらい術だ。」


 近くの部屋が開く。見れば刀馬(とうま)とまだ少女の遊女が立っていた。刀馬(とうま)は不思議そうな顔をしてこちらを見ている。


刀馬(とうま)

「ん?猿飛(さるとび)、お前一人でこんなに敵を殺ったの?」


猿飛(さるとび)】 

「いや。殺ったのは鵜飼(うかい)だ。」


刀馬(とうま)】 

「へー。それじゃあ、なんでそいつ伸びてんの?」 


猿飛(さるとび)

「後で、説明しよう。それより・・・」


猿飛(さるとび)は、面倒くさそうに言った。


刀馬(とうま)

「ん?」


猿飛(さるとび)

「お前、こんな状況泥酔するくらい飲むな。」


 猿飛(さるとび)は真剣な表情で言う。



刀馬(とうま)

「・・・は?」 


刀馬(とうま)には、猿飛(さるとび)が何を言っているのか、まったく分からなかった。


読んでくださり、ありがとうございました!

次回もお楽しみに!(*´-`)



◯長編小説◯

【時雨の里】(連載中)

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