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【闇に沈む侍】  作者: 有馬波瑠海
5/18

【赤い傘】

こんにちわ!有馬波璃海ありまはるかです!



ただの趣味での投稿になります!(*´-`)

こちらの、作品は、長編連載小説【時雨の里】の

姉妹作品で、【時雨の里】の時代から約25年前の話となっています。


※こちらの作品は、シリアスながらもほのぼの要素のある【時雨の里】とは異なり、ギャグ要素はあっても、全体的にシリアスな感じになることが予想されます。あらかじめご注意ください。m(__)m



【時雨の里】絶賛連載中!こちらも、ぜひ、ご覧ください!(。-人-。)



◯長編小説◯

【時雨の里】(連載中)

https://ncode.syosetu.com/n5101gr/

刀馬(とうま)

「手を組むだと・・・?」


(わたり)

「そうだ。甲賀としては風魔にこれ以上好き勝手にされては困る。このまま勢力を拡大されては、いずれ調子に乗って、甲賀にちょっかい出されても面倒なんでな。嫌な火種は早いうちに消しておきたいのさ。伊賀も伊賀で、自分の国を取り戻したいだろう?手を組もうじゃねぇーか。」


刀馬(とうま)

「敵の敵は、見方ってやつか。やれやれ、敵国の忍と手を組むなんざ、最悪な気分だが・・・。まぁ、そんなことも言ってられないのは、分かった。」


(わたり)

「それじゃあ・・・。決まりだな。俺の名前は、(わたり)秀一。こいつらと同様に甲賀の上忍だ。それで、こいつらの名前は猿飛(さるとび)佐介と鵜飼(うかい)孫七。」


刀馬(とうま)

「アンタの実力がどの程度なのかは、知らんがまぁ、そいつらの実力なら図れた。・・・雑魚だ。」


鵜飼(うかい)

「テメェー!ふざけんなよ!負けそうになってたじゃねぇーか!コノヤロウ!!」


猿飛(さるとび)

鵜飼(うかい)。言わせておけ。」


 刀馬(とうま)は、何もまったく気にしない様子で言う。


刀馬(とうま)

「それで、これからどうするんだ?」


(わたり)

猿飛(さるとび)鵜飼(うかい)と共に、甲賀に先に行っていてくれ。そこでこれからの作戦を立てよう。甲神一族の者が来るとなれば、また作戦も変わって来る。悪いが、俺はちょっと野暮用があるので、ここで失礼。」


 (わたり)は、闇の中へ消えて行った。










 三人はそれから半日かけて、川の上流までやって来る。ある程度上流のところまで来ると、刀馬(とうま)は少し待ってていて欲しいと言って、森の中へと入って行ってしまう。


鵜飼(うかい)

「なんなんだ!あの芋侍は!本当にムカつくぜ!まぁ、もし、この一見が片付いたら、俺があいつを始末してやる。」


猿飛(さるとび)

「かりかりするな。お前は、すぐに熱くなる。」


鵜飼(うかい)

「けっ!そう言えばあいつ、ちょっと待っててくれって言ってずいぶんたつな。何してるんだ?まさか、逃げたんじゃ?」


 鵜飼(うかい)は、刀馬(とうま)が入っていた方の森の中へと入っていく。


猿飛(さるとび)

「あの、アホウが・・・。」


 雨が振り出した。その侍は、雨の中で一人、何やらしゃがみこんで見ている。その背中はごとまでも空しく、声をかけるのがためらわれた。


後から、来た猿飛(さるとび)鵜飼(うかい)に声をかける。



猿飛(さるとび)

「ここいらで、5年前甲神一族の頭領が殺されたと聞く。あいつの刀に、あいつの名字は甲神。甲神一族はその頭領となる家族しかあの名字を名乗れないと聞く。あいつは十中八九、頭領の息子で間違いない。お前も、忍びなら忍術だけじゃなくて、もう少し情報の読み取りや、整理をできるようにしろ。」


鵜飼(うかい)

「・・・。」


 雨はどんどん強くなり、遠くで雷の音もする。刀馬(とうま)は、寂れて折れた刀の柄を見つめていた。その折れた刀は、紛れもなく生前父親が使っていた物だった。冷たい雨が自分の体を濡らしていく。


刀馬(とうま)

「・・・。」


・・・パタン。傘が開く音がした。見れば頭上に真っ赤な傘がさしてある。・・・


鵜飼(うかい)

「・・・。」


刀馬(とうま)

「敵に・・・。塩でも送ったつもりか?」


鵜飼(うかい)

「忍びにだって、心があるんだよ芋侍が・・・。」


刀馬(とうま)

「やめろ。気持ち悪りぃ。お前と相合傘なんざ、死んでもごめんだ。」


鵜飼(うかい)

「けっ!安心しろ。まだ傘はある。」

 鵜飼(うかい)は、傘の中からもう一本赤い傘を出した。


鵜飼(うかい)

「赤が嫌なら、一本だけ藍色の傘もあるぞ。」


刀馬(とうま)

「なんで、そんなに傘持ってんの?手品師か、お前は・・・。」


鵜飼(うかい)

「忍だって、侍だって、家族や仲間が死ぬのは辛い・・・。敵同士だって、それは分かりあえるんだよ。侍も、忍も、皆、皆、友達なんだ。とはいかないが、人としての心失っちまったら、それはもう忍でも、侍でもねぇー。ただの人の形をした鬼だ。」


 鵜飼(うかい)は、刀馬(とうま)に傘を渡した。


刀馬(とうま)

「やれやれ・・・。忍びに心配されるなんざ、金輪際(こんりんざい)ごめんだぜ。」




 雨の中、三人は甲賀に向かって進んで行く。

森の中に立てられた二つの墓は、いつまでも三人の後ろ姿を見守っていた。

読んでくださり、ありがとうございました!

次回も、ぜひ、ごらんください!

( *・ω・)ノ



こちらの、作品は、長編連載小説【時雨の里】の

姉妹作品で、【時雨の里】の時代から約25年前の話となっています。



※こちらの作品は、シリアスながらもほのぼの要素のある【時雨の里】とは異なり、ギャグ要素はあっても、全体的にシリアスな感じになることが予想されます。あらかじめご注意ください。m(__)m



【時雨の里】絶賛連載中

https://ncode.syosetu.com/n5101gr/

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