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【闇に沈む侍】  作者: 有馬波瑠海
2/18

【・・・五年後・・・】

こんにちわ!有馬波璃海(ありまはるか)です!


ただの趣味での投稿になります!(*´-`)


こちらの、作品は、長編連載小説【時雨の里】の

姉妹作品で、【時雨の里】の時代から約25年前の話となっています。


※こちらの作品は、シリアスながらもほのぼの要素のある【時雨の里】とは異なり、ギャグ要素はあっても、全体的にシリアスな感じになることが予想されます。あらかじめご注意ください。m(__)m




【時雨の里】絶賛連載中!是非こちらも、ご覧ください!(。-人-。)


◯長編小説◯


【時雨の里】(連載中)

https://ncode.syosetu.com/n5101gr/

     ・・・5年後・・・



 ここは、山奥にある小さな小屋。今宵16代目時岡刀仁才(ときおかとうじんさい)は、元服を迎えた最後の弟子に酒を注いでいた。



時岡藤仁才(ときおかとうじんさい)

「お前が俺の元に来て、早5年・・・。お前を初めて見たと時は、驚いたもんだ。川岸に打ち上げられたボロボロの船の中に、今にも死にそうなガキがうずくまっていたんだからな。最初は、怪我が治ったら、すぐにこの小屋から追い出してやろうと思っていた・・・。


 はな、お前を拾う前までは、もう弟子はとらないつもりでいた。飛雷(ひらい)流を継ぐのは俺で最後にするつもりだった。


 火を扱う火暮(ひぐらし)流、水を使う清水(きよみず)流、風を使う風上(かざかみ)流、そして、雷を扱う飛雷流の剣術は、日の本の剣術の流派の4代最強殺人剣術と言われ、武士を志す者は誰もが、この四つの流派のどれかに入りたがる。しかし、入りたがるばかりでその実力にそぐわない輩ばかりでな。どいつもこいつも、形ばかりにこだわり中身のない刀の振り方しやがってからに・・・。


 あんなんで、4代最強殺人剣術を語られちゃ、流派に傷かつく。雑魚に教えて最強の流派を汚していくらいなら、俺の代で流派を終わらせた方がましだ。


 だが、面白いものだな・・・。そこら辺の野良犬どうぜんの身なりだったボロボロのガキに、これで最後と試しに教えてみたら、まぁ、化けたもんだ。ボロボロの野良犬の中に恐ろしい白虎がいたもんだ・・・。刀馬(とうま)(とうま)。お前は、この流派を受け継ぐ男な相応しい男だ。」


 少年は、ゆっくりと杯に注がれた酒を飲み干す。


申神刀馬(こうがみとうま)

「ありがとうございます。師匠・・・。しかし、俺は、師範になる気はございません。」


時岡藤仁才(ときおかとうじんさい)

「やれやれ、まったく。どうして俺のところに来るやつらは、問題児ばかりなんだろうな。お前、時岡藤仁善の名を受け次ぐことがどれだけ名誉なことなのか分からねぇーのか?武士道を極めようとするものなら、喉から手が出るほど欲しい名だぞ?」


刀馬(とうま)

「すみません。師匠・・・。ですが俺は、伊賀に戻らなくてはなりません。風魔の森で生き別れた両親や一族の仲間達が今もまだ戦っているかも知れませんから。すぐにでも行って、俺も戦わなくては。市場の元で5年。侍として戦える男に育てて下さいました。このご恩、消して忘れません。」


時岡藤仁才(ときおかとうじんさい)

「伊賀・・・ねぇ・・・。まぁ、良い。お前の人生だ。お前の思う武士道を貫けば良い。これを持っていきなさい。」


 時岡藤仁才(ときおかとうじんさい)は、一本の雅な刀を渡す。


刀馬(とうま)

「これは?」


時岡藤仁才(ときおかとうじんさい)

「元服の祝いだ。時岡藤仁善の名を継ぐのに相応しい男と出会えたとき、渡そうと、思っていた。まぁ、お前は継ぐ気はないようだが、お前以上の男には、この先出会えないと思うからな。持って行きなさい。」


 刀馬(とうま)は、その刀を受けとると少し鞘から刀を抜いてみる。鞘から僅かに出た刃が自分の顔を写す。

父親に似て、明るい茶色の髪に年齢よりも若く見える丸い目と顔。幼い顔立ちをしていた。刀馬(とうま)は刀を鞘に納めると、深々と頭を下げ、立ち上がり小屋の戸を出ようとする。すると、時岡が一言刀馬(とうま)に言葉をかける。


時岡藤仁才(ときおかとうじんさい)

刀馬(とうま)よ。両親や一族の仲間を思う気持ちも分かるが、お前はお前の仲間を作りそこで生きていくという道もあることを覚えておけ。」


 刀馬(とうま)は少し振り向いてって頭を軽く下げると5年過ごした小屋を去った。


時岡藤仁才(ときおかとうじんさい)

「・・・やれやれ。この狭い小屋が広くなっちまうな・・・。」







 真っ暗な森の中を歩いて行く。しばらくすると川に出て下流に向かって歩いて行く。日が登り上まで昇ると、川を渡って、再び歩き方続ける。夜になり、刀馬(とうま)は木にもたれしばし休もうと。腰に下げる二本の刀を引き抜く。一本は、時岡藤仁善にもらった物。もう一本は、あの日父親からもらった物だった。


 7年前に始まった戦は、風魔が突然攻めて来たところに始まる。伊賀は風魔に立ち向かうべく忍も侍も双方が協力し、立ち向かう。しかし、風魔はこの戦のために用意した武器、綿密に立てられた計画。そして、訓練の差に伊賀は日に日に潰されて行った。


 伊賀を残すため、一度他国へ逃げて再起をはかる。城主、末森竜影(すえのもりたつかげ)の命により、忍も侍も散り散りになっての撤退。今はもう、誰がどこに逃げたのかも分からない。






 そんなことを考えている時だった。刀馬(とうま)は、すぐさま、焚き火の火を消す。夜の森の中に何かが潜んでいる気配。5年前のあの日に味わった闇の中から、己の命を削りとろうと狙っているあの気配がした。



読んでくださり、ありがとうございました!

(。-人-。)


次回も是非、ご覧ください!(。-人-。)


時雨の里】絶賛連載中!是非こちらも、ご覧ください!(。-人-。)


◯長編小説◯


【時雨の里】(連載中)

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